他業禁止規制の見直しを提言

昨年度からSBI金融経済研究所の「次世代金融インフラの構築を考える研究会・分科会C(金融産業構造の未来像)」に参加しています。分科会Cではこの3月末に第一次提言として、「金融業における業務範囲規制のあるべき姿」を公表しました。

政府は銀行や保険会社、あるいは金融持株会社(ここでは銀行持株会社・保険持株会社)に対し、厳格な業務範囲規制(他業禁止規制)を設けています。近年では規制緩和が進み、例えば第一生命によるベネフィット・ワンの買収、東京海上によるID&Eホールディングスの買収など、保険グループによる非保険事業への参入も目立ちますが、当局の認可・承認といったプロセスを含め、まだまだ制約が大きいのも確かです。
他方で楽天やイオン、KDDIなどは一般の事業を行いつつ、銀行や保険の分野に参入できています(ソニーは昨年、金融事業を分離しましたが…)。それが可能なのは、金融持株会社に該当しなければ、他業禁止規制を課せられないからです(銀行・保険主要株主という取り扱い)。言い換えると、楽天やイオン、KDDIなどは、金融持株会社の判定基準と子銀行・子保険会社の議決権比率をコントロールすることで、金融持株会社に該当しないようにしているというわけです。
この結果、銀行や保険会社が金融以外の事業に参入するのは他業禁止規制の壁があるのに対し、事業会社は金融持株会社と判定されなければ銀行・保険分野に参入できるという妙なことになっていて、これを見直すべきというのが提言の柱となっています。

もっとも、楽天やイオン、KDDIは参入できているとはいえ、全体として事業会社が銀行・保険分野に参入しやすいかといえば、おそらくそうではないでしょう。今年度はこのあたりについてもさらに考えていきたいと思います。

※写真は「大手町の森」です。中には入れないのですね。

※いつものように個人的なコメントということでお願いします。

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