今月は保険代理店向けメールマガジン「inswatch」に
出稿する月でして、今回は10日の日経1面に載った
国際的な保険規制の流れについて書きました。
inswatchのHPへ
記事はinswatchでご覧いただくとして、
保険の国際規制の動きがわかりにくいのは、
2つの話が同時進行しているからだと思います。
銀行では、もともとバーゼル規制があるところに
金融危機が発生し、金融システムが大きく動揺
(米国や英国などでは公的資金が使われましたね)、
バーゼル規制を強めるとともに、金融システム上
重要な金融機関を対象に、追加的な規制ができました。
「大きすぎるから潰せない(=だから税金を使う)」から、
「大きくても税金を使わずに潰す」への転換です。
金融危機後に設立されたFSB(金融安定理事会)が
規制作りを進めています。
保険では、銀行のバーゼル委員会にあたる
IAIS(保険監督者国際機構)は存在するものの、
バーゼル規制に相当する国際的な資本規制はありません。
AIGの経営危機で当局どうしの連携が難しかったこともあり、
IAISは世界共通の保険監督の枠組み作りに着手しました。
これが「コムフレーム」で、対象となる国際的な保険会社を
「IAIG」と言います
(10日の日経はこちらの話でした)。
他方、「大きくても税金を使わずに潰す」は銀行だけではなく、
保険会社も対象です。AIGに公的資金が投入されたことが
強く影響していると思います。
FSBは金融システム上重要な保険会社を対象にした、
銀行と同じような規制作りに取り組んでいます。
この対象となった保険会社が「G-SII」です。
このように、保険では2系統の国際規制作りが同時に
進んでいることを知らないと、10日の日経を見ても、
何のことかさっぱりわからないと思いますので、ご参考まで。
※この週末は肉体労働でした。腰にきますね。