タイトルを正しく読むことができるでしょうか?
正解は「とめし とよままち」です。
同じ漢字なのに、市と町で読み方が違います。
ちなみに、登米小学校は「とよま」、登米高校は「とめ」、
登米警察署は「とめ」、観光物産センターは「とよま」です。
しかも、市役所は登米町とは全く別の場所にあります。
地図では「登米」が2か所表示されていることもあり、
仙台からの高速バスも2系統あります。
乗り間違えそうですね。
どうしてこんなややこしいことになっているのかと言うと、
歴史的には「とよま」だったこの地を、明治政府の役人が
「登米」を「とよま」と読めず、間違えて「とめ」と読んでしまい、
そのまま修正しなかったのだそうです。
さらに、2005年に旧登米(とめ)郡の8町などが合併した際、
歴史の長い登米(とよま)町ではなく、最も人口の多い迫町に
市役所を置いたため、一段とややこしくなってしまいました。
私が訪れたのは登米(とよま)町です。
「みやぎの明治村」と呼ばれ、かつては北上川の水運で
大いに栄えたそうです。
写真のような立派な小学校(今は教育資料館)があり、
町のあちこちには立派な蔵が残っています。
明治初期にはなんと県庁も置かれていました。
ところが、明治23年に現在の東北本線が開通すると、
北上川の水運は急速に衰退してしまいます。
もちろん、だから昔の町並みが残ったとも言えるのですが…
ピーク時には1万人を超えていた登米町の人口は
今では5000人程度に減ってしまいました
(市役所のある迫町の人口は2万人を超えています)。
高齢化も進み、65歳以上が3割を上回っているとのこと。
これでは単独での生き残りは難しいと判断したのでしょう。
食堂で同席した地元のおじいさん曰く、
「古くなった昔の駅舎(=かつて軽便鉄道が走っていた)が
最近まであったんだけど、市は財政が厳しいからといって
壊しちゃったんだよね。今は○○っていう薬屋になってるよ。
とよまに役所があったなら、保存したと思うんだけどねぇ」
と嘆いていました。
その裏には、歴史ある町が他所に吸収されてしまったという
寂しさがあるのかもしれません。