遅まきながら週刊ダイヤモンド毎年恒例の保険特集を読みました。
「プロが薦める【最新】保険商品ランキング」「岐路に立つ保険代理店」といった各企画は、一見すると他誌の類似企画と同じように思えます。ところが読んでみると、さすが週刊ダイヤモンドという記述が随所に見られます。とりわけ保険流通に関わるかたには必見の内容ではないでしょうか。
今年の保険特集で個人的に面白かったのは、記事のあちこちにある「掲載基準緩和型コラム」という小さな囲み記事と、特集の締めくくりに掲載された遠藤さん(金融庁監督局長・遠藤俊英さん)のインタビュー記事でした。
コラムのほうは、これを面白いと思うかどうかは個人差があるでしょうね。
例えば、決算発表の延期が続いているエヌエヌ生命について「金融庁が『あいつらナメてますね』とあきれ顔」なんて記事があるかと思えば、SOMPOホールディングスの副社長と三菱UFJ銀行の新頭取が同窓生で仲がいいとか、「このハゲぇー」の前衆院議員が少額短期保険制度の基礎を作ったとか、何というか、どうでもいいと言われればその通りなのですが、おそらく長年この業界をウォッチしていないと書けないものも多そうです。
遠藤局長のインタビュー記事は、商品ランキング、インシュアテック、保険代理店と読み進めてきた読者には、あれっ?、という印象ではないでしょうか。
大手生保をはじめとした国内系生保は、本誌が取り上げた商品比較からも、保険ショップが台頭する世界からもやや距離を置いたところにいるようですが、このインタビューでは見事にこちらに切り込んでいます。
「常識的に考えて相互会社形態のまま、無制限に企業買収を進めていくというのは、保険契約者に対して今後説明がつくんですかということになります」
「(契約者還元の透明性を高めるべきという質問に対し)本当にそうだと思いますよ。相互会社ってそういう存在ですからね」
結構重みのあるコメントかもしれませんね。
※生演奏を聴きながら美味しい料理をいただきました。一ツ木町倶楽部です。