11. コメント裏話など

変額年金保険に異変

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7/5(日)の日経「SUNDAY NIKKEI」に変額年金の記事が載りました。
「最低保証が保険会社の重荷となり、新規販売停止が相次いでいる」
というものです。

私のコメントもありまして、
「最低保証があれば、元本割れのリスクを負うのは保険を買った人ではなく
 保険会社です」
というものでした。

記事の中には、
・株が大幅に下がると商品の採算性があわなくなる
・最低保証の仕組みは何らかの形で見直されるだろう
といった記述がありました。

誤解があるといけないので念のため補足しますと、
多くの保険会社では元本割れのリスクに備えて再保険に加入していますが、
損保の再保険のように1年更新ではなく、最低保証の期間に合わせて
長期の再保険に入るのが一般的なようです。

ですから、株価が下がっても、すでに販売した変額年金については
採算があわなくなったり、最低保証が見直されたりすることはありません
(ただし、保険会社が破綻した場合には見直される可能性が高いです)。

採算が合わなくなったり、最低保証が見直されたりするのは
あくまでこれから販売する変額年金のことですので、お間違いなく。

※近所の熊野神社で七夕祭がありました。

 

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「激震 変額年金」

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18日と19日の日経に「激震 変額年金」という記事が載りました。

AIGの信用不安、ハートフォード生命の主力商品の運用停止、
さらに今年になってから販売休止が相次いでいるわけですが、
記事ではこのような変額年金市場の異変をうまく整理しています。

私のコメントもあります。
「今回の教訓を機に、関係を正常化すべきだ」というものですが、
これだけでは何だかわからないので、少しだけ解説しますと、

・そもそも金利水準が低いなかで、「最低保証」「値上がり期待」
 「高い代理店手数料」の3つを満たすのは難しい。

・ただ、銀行の販売力を前に新規参入する保険会社が相次ぎ、
 銀行主導のマーケットになっていた。最低保証が日々上昇したり、
 リスク資産のウエートが高かったりする商品も見られるようになった。

・ところが、金融市場の混乱で、もし保険会社が破綻したり
 撤退したりした場合には、銀行も無傷ではないことがわかった。
 手数料ビジネスなので財務的なダメージはないが、
 顧客の信頼を失い、顧客基盤を棄損するおそれがあるためだ。

・もっとも、リテールビジネスを強化したい銀行にとって、
 保険・年金商品は不可欠な存在だ。
 今後は単に「いい商品」をとっかえひっかえ採用するのではなく、
 銀行と保険会社がパートナーとして長期的な関係を築いていく必要がある。 

という話をしました。
とはいえ、販売を休止したり、抑制したりという動きは続きそうですから、
今年度の変額年金の販売はかなり落ち込むのではないでしょうか。

※写真は娘からの「父の日プレゼント」です^^

 

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今月のスピーチから

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今月に入り、外部でスピーチをする機会が何回かありました。
このうち二つはいずれも「金融危機と今後の保険業界」というテーマ。
でも、話の内容はかなり違ったものとなりました。

一つは損害保険代理店の同業者組合(=東京代協です)でした。
出席者の大半が保険代理店だったので、AIGショックや
損保再々編、保険流通の変化を中心にスピーチしました。

人数がそこそこ多かったにもかかわらず、
質問が途切れなかったうえ、懇親会でもたくさん質問をいただきました
(再編関連、通販、時価会計、金融危機と格付け、などなど)。
温度差はあるのでしょうけれど、熱心なかたが多かったという印象です。

もう一つは某大手証券主催の投資家向け保険セミナーでした。
生損保の経営分析のほか、保険会社の「経営の質」、
ソルベンシー規制と保険経営への影響、といった話をしました。

この「投資家向け」セミナーはクレジット投資の機関投資家が対象でした。
ところが、メインテーマである大手・中堅生保の経営分析に加え、
意外にも(?)変額年金への関心が高かったようです。
投資対象ではなさそうなのですが、理由はよくわかりません。

原稿執筆やテレビ出演と違い、スピーチはお客さんの反応を
直接感じることができるので、ありがたいです。
失敗して凹むこともありますが...

 

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主要生保の資産運用計画

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4/26(日)の日経ヴェリタスにコメントが載りました。

株式保有にジレンマという記事の中で、
「(保険契約者に保険金を確実に支払うという視点から、)
 経営体力以上に価格変動リスクが高い株式を保有するのは疑問」
というものです。

当たり前ではないかというお叱りを受けそうですが、
次のようなコメントを要約したものとしてご覧下さい。

・生保は予定利率を保証しており、このような固定金利の負債には
 固定金利の資産を持つのが基本。株式では負債の金利リスクに対応できない。
・生保は資産と負債の金利変動リスクと株式保有リスクを抱えている。
 経営体力とのバランスを考えると、二つのリスクを今のまま抱え続けるのは困難。
・自己資本運用のうち一部(全部ではない)を株式で運用するのは理解できる。

記事の言う「ジレンマ」とは、株式を持つと価格下落リスクがある一方、
持たなければ運用競争で負ける恐れがあるというもの。
私は、運用競争よりも健全性の確保が先だと思うのですが…

 

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損保ジャパンと日本興亜の統合計画(続き)

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昨日(3/13)に経営統合に向けた基本合意が公表されました。

「両社の存続を前提」「両社対等の精神」という言葉が並び、
「共同CEO体制」「社内取締役は両社同数」などがうたわれています。
統合比率が決まっていないので何とも言えませんが、
大手と準大手の経営統合とは思えない書きぶりでした。

今回の件に関して、いくつかコメントが載りましたのでご紹介します。

日経(13日)では、3メガ損保を比べた記事のなかで、
なぜか三井住友海上についてのコメントが取り上げられました。
「有力企業の取引が多いのが特長」というものです。

もちろん、他にも「東京海上は(他の損保に比べ)生保事業が強い」
とか、「損J&NKは地銀に親密先が多い」とか話しており、
記事にも反映されているようです。

読売では、合併ではなく持株会社の傘下で2社が併存する
今回の統合スキームについてのコメントです。
「現体制を維持したままの統合では、合併に比べコスト削減にも制約がある」
どのような取り組みが行われるのか注目したいです。

朝日はネット版だけコメントが載ったようです。
業界再編が消費者に与える影響について、一般論として、
「寡占が進むと、消費者の選択肢が狭まるという弊害もある」
とコメントしています。

※写真は日産スタジアムです。「ちびっこ駅伝」の応援に行きました。

 

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損保大手、「直販」で攻勢

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3/5(木)日経にコメントが出ました。
「直販保険」市場が急拡大しているという記事の中で、
「数年後には同比率が二ケタ台に乗るだろう」というものです。

同比率とは、個人向け自動車保険に占める直販比率で、
08年度に8%を超える見通しとのこと。

記事では、大手参入や景気悪化に伴う消費者の節約志向
が挙げられていますが、加えて不払い問題などの影響で、
商品のシンプル化が進んでいくことも通販には追い風でしょう。

ただ、通販会社といっても経営戦略はかなり異なるようですね。
ダイレクトマーケティングの自動車保険で伸びている会社は
ごく一部なのではないでしょうか。

 

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AIGへの追加支援

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この件で数社から取材を受けました。
このうち表に出たのは次の二つです。

3日の産経新聞にアリコの売却について、
「じっくりと交渉することになるのでは」との見方が多い
というコメントが出ました。

投げ売りするよりいいという米政府の判断ですが、
会社価値をどう維持するかが課題となります。

もう一つはテレビです。
夜11時からのテレビ東京・ワールドビジネスサテライトで
アリコの契約者がどうなるかについてのコメントをしました。

記憶が定かではありませんが、
「破綻ではないので保険金が削減されたりはしない」
「政府がずっと経営するのではなく、将来は株主が変わる」
などとコメントしたように思います。

NY連銀からの借入をアリコとAIAの優先株で返済する
というスキームには驚きですが、同時に今回の支援策では、
損保事業についても手をつけることになりました。

契約者にとって破綻リスクは小さくなりましたが、
グループは解体に向かっていると言えそうです。

※写真は鶴見川河口近くの「貝殻浜」です。

 

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秒読み

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いよいよ生損保の4-12月期決算が2/12、13に発表となります。
他の業界と違い、この二日間に集中しているのはなぜでしょうね。

10日の日経にコメントが載りました。
「三井生命、朝日生命、1000億円規模の最終赤字、株などで評価損」
という記事のなかで、

「(2001-03年)当時と比べて逆ざや負担も減り、契約者の解約も少ない。
 生保危機のような状況ではない」

というコメントです。

もちろん、資産価格下落の影響は決して小さくないとは思いますので、
「生保危機」ではないにせよ、今回の決算内容や期末に向けた対応を
注意してみていくつもりです。

※写真は旧奈良駅舎です。

 

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日経CNBCに登場しました

本日(3日)昼の番組「昼エクスプレス」にゲスト出演しました。
テーマは損保3社の統合についてです。

この番組は主に個人投資家をコア視聴者としているそうで、
本来ならば株式アナリストが登場すべきと思うのですが、
なぜか私に声がかかりました。

日経CNBC・昼エクスプレス

普通のテレビ(地上波・BS)ではないので、
お話しした内容を簡単にご紹介しますと…

どういう方針で統合を進めるのか?
→ 三井住友海上HD の傘下に、あいおいとニッセイ同和の合併会社が入る。
   持ち株会社に二つの大手損保がぶら下がる変わったスキーム。

統合の効果で企業価値は向上するか?
→ ①コスト削減が早期に進むかどうか、
   ②例えば日本生命の顧客を三井住友海上が開拓するといった
    グループシナジーが働くかどうか、
   ③今後の海外事業、などに注目している。

今回の3社統合に刺激され、再び損保再編がおこるか?
→ 経営者が決めることだが、可能性はないとは言えない。
   生保でもAIGの事業売却がある。
   ただ、再編で業界が抱えている課題が解決できるとは考えにくい。

今回の統合で業界の活性化が進むか?
→ 規制緩和が進んだ今も、損保業界は古いビジネスモデルを引きずっている。
   規模が小さい代理店を多く抱えていることからくる効率性の低さ、
   多額の政策保有株式の存在などである。
   再編とともに、新しい時代に合ったビジネスモデルの再構築が必要だ。

全部で10分ほどあったのでゆっくり話をしたところ、
ふと時計を見ると、残り12秒となっていて、最後はあわてました。
やはりテレビは難しいです。

 

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12/27の読売コメントについて

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1/7のブログで紹介できなかった年末のコメントがありました。
あえて紹介しなかったのではなく、たまたま今日になって気がついたものです。

12/27(土)読売「『保険の銀行窓販』全面解禁1年 保険各社、苦戦続く」
という記事の中で、

「銀行で保険商品を購入すると、アフターケアが心配という人はまだ多い」

というコメントが載っていました。

ただ、実のところ私はそのようなコメントをした覚えはなく、
これは別のかたのコメントのはずです
(「営業職員チャネルだとアフターケアが充実」と言わんばかりの
 コメントですので、 大手生保の関係者ではないでしょうか…)。

電話取材を受けたのは事実でして、

・スロースタートは予想通り。
・加えて金融危機で貯蓄性商品もしばらく厳しい。
・同じスロースタートでも、単なる品揃え目的の銀行と
 リテール戦略に本腰を入れる銀行では、将来差が出るだろう。

このような趣旨の話をしました。
ですから、上記のようなコメントになるはずはありません。

とりあえず、今回は単なるミスだと信じることにしますが、
ご参考まで。

※写真は港北駅伝大会です。1/11に日産スタジアムで開催されました。

 

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