17日(木)の日経新聞に、
「保険会社の財務健全性 新基準で影響度調査」
という記事が載りました。
これは16日に金融庁が発表した
「経済価値ベースのソルベンシー規制の導入に係る
フィールドテストの実施について」
を取り上げたものです。
わかりにくいのでちょっとだけ解説を。
保険会社の健全性規制(ソルベンシー・マージン規制)
の見直しは2段階に分けて行われています。
「新基準」というと、今年度末から試行(正式導入は来年度末)される
ソルベンシー・マージン比率の見直し(金融庁HPへ)
と紛らわしいですが、こちらが1段階めの見直しです。
今回のフィールドテストは2段階めの見直しに向けたステップと言えるでしょう。
記事には、
「現在はこの比率(ソルベンシー・マージン比率=植村注)を
算出する際の分子に当たる純資産は時価評価しているが、
分母に当たる負債は固定されている」
とありますが、正確には資産(金融商品)は時価評価、
負債(責任準備金)は取得原価というミスマッチです。
これでは保険会社の財務状況の実態をうまく把握できないので、
経済価値ベースで資産・負債を一体的に評価しようという話になっています。
なお、「損保は基本的に1年契約だからあまり関係ない」
という声も聞こえてきそうですが、日本の損保は積立型の保険や、
超長期の火災保険(住宅ローンにかかるもの)を扱っているので、
生保だけに影響する話ではないと私自身は思っています。
※「河口から0.0キロメートル」なのですが、
この先にも埋立地が広がっているので、海はもう少し先です。