2009/3期の生保決算が出そろいました。
本格的な分析はこれからですが、やはり金融危機の影響を
非常に強く受けたものとなりました。
大手・中堅生保では、何といっても株価下落が効いています。
株式含み益を確保できたといえるのは日本生命と明治安田生命だけ。
T&Dも含み益ですが、株式関連の損失がかさみました。
ただ、銀行決算が12月よりも一段と悪化した感があるのに対し、
生保はそれほどでもないという印象です。
銀行では景気悪化の影響で信用コストの拡大が顕著ですが、
生保では中小企業向け保険の解約が目立つ程度です。
不動産関連投融資が比較的少ないためだと思います。
もっとも、外資系生保では国内系とは別の傾向が見られます。
外資系では外国証券の損失が目立ちました。
例えばアリコジャパンはAIG株式のほか、CMBS(商業用不動産担保証券)や
RMBS(住宅ローン債券担保証券)の実現損や含み損も膨らんでいます。
証券化商品以外の外国公社債でも含み損を抱えているようで、
海外企業の信用力低下も影響しているとみられます。
このような傾向はアリコだけではなく、外資系生保に共通しています。
アフラックの含み損は4000億円超となり、実質純資産額を圧迫
(ただし、証券化商品への投資は非常に少ないです)、
ジブラルタ生命の外国公社債含み損は1200億円に達し、
増資等を行っています。
アクサ生命では外国証券評価損が1300億円に膨らんだ結果、
赤字決算となりました。
外資系生保が軒並み経営内容を悪化させる事態は初めてのことです。
「外資系に追い風」はすっかり過去の話となりました。
※写真は東京駅です