公表逆ざや額の限界

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すでに発表されている第一生命と大同生命の「逆ざや額」をみると、
数字が極端に悪化しています。

 第一生命 2007年度= 11億円の順ざや → 2008年度= 648億円の逆ざや
 大同生命 2007年度=217億円の順ざや → 2008年度=1298億円の逆ざや

この結果、大同生命は基礎利益が赤字となってしまいました。
これだけみると、逆ざや額を保険関係の差益でカバーできていないことになります。

しかし、超長期の負債に対し、長期の資産で運用する生保にとって、
実質ベースの逆ざやが短期間でここまで極端に動くことはありません。
指標が実態を表していないことがわかります。

大同生命の2008年度の公表逆ざや額が膨らんだ理由は、
含み損となった投信の解約に伴う多額の損失が反映されたためです。
第一生命の場合は、詳細は不明ですが、2007年度までの逆ざや額が
何らかの要因により実態よりも小さくなっていたようです。

いずれのケースでも、公表逆ざや額が実態をうまく反映していないので、
この数字をそのまま使うのはやめたほうがいいと思います。

※写真は飯山の古い雁木(がんき)です。

※いつものように個人的なコメントということでお願いします。

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