金融機関窓販マーケット

日本生命によるマスミューチュアル生命の買収が発表されました(3月2日)。
三井生命を含む3社により、「金融機関窓販マーケットにおけるお客様からのご要望に幅広くお応えする体制構築を目指してまいります」ということで、日本生命はマスミューチュアル生命の富裕層向け商品供給力や証券会社・メガバンク等へのサポート体制を評価した模様です。
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現在の主力は外貨建て

その金融機関窓販マーケットでは、2007年12月の全面解禁から10年(銀行の場合)たったとはいえ、依然として販売の中心は一時払の貯蓄性商品となっています。
中核となる商品は、2008年のリーマンショックころまでは最低保証のある変額年金、その後は円建ての定額商品に移行しました。さらに、2012年あたりからは外貨建て商品の販売が目立つようになり、最近では、マイナス金利政策などによる円建て商品の退潮を受け、外貨建て商品が窓販マーケットの主力を占めています。

顧客の中心が預金を持つ高齢の「資産活用層」だとすると、ニーズが変わったというよりは、保険会社がその環境で供給できて、かつ、やはり金融機関が販売しやすいものが提供されているのでしょうか。
(資産活用層ではなく)資産形成層向けの商品に急に切り替えるのは無理だとしても、アベノミクス以降、ある程度株価に連動するような商品がもう少し売れてもよさそうなものですが、外貨なのですね。

2強の強みは何か

この市場は金融機関という第三者の有力チャネルが販売を担うことから、保険会社が市場シェアを確保し続けるのが難しいマーケットでもあります。実際、過去にはトップシェアの会社が毎年変わるようなこともありました。
しかし、ここ数年は「第一フロンティア生命」「三井住友海上プライマリー生命」が2強として、高いシェアを継続的に確保しているようです。

いずれも国内系なので、外貨の運用能力を販売会社向けにアピールするというのは無理がありそうですし、それぞれ「第一生命」「三井住友」の存在があるとはいえ、市場全体で2、3割のシェアを確保し続けるには、特定の親密先だけでは難しいでしょう。
ただ、両社は金融機関窓販に特化した保険会社という点で共通しており、商品開発力の早さとか、意思決定のスピードとかいった、専門会社であることのメリットを最大限活用できているのかもしれません。

会見によると、日本生命はグループ3社を無理に統合せず、それぞれの強みを生かしていくとのことで、その点は理解できますが、マスミューチュアル生命がいろいろな意味でユニークな会社ということもあり、せっかくの買い物をどう生かしていくか、今後の取り組みに注目です。

※築地市場で古い線路を再利用した柵がいくつもあるのを見つけました。当時の貨物線で使っていたものでしょうか?

※いつものように個人的なコメントということでお願いします。

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