損保の決算発表

null

5/20(水)は主要損保の決算発表集中日でした。
決算発表に関する翌日の報道をみると、

「金融危機の直撃で全社が経常赤字に転落、損害保険ジャパンなど四社が
 最終赤字となった」(日経)
「有価証券の損失が拡大するなどし、税引き後利益は損害保険ジャパンなど
 3社が赤字、東京海上ホールディングスなど2社が減益」(読売)
「6社合計の金融危機関連損失は7697億円に達し、08年9月中間期時点の
 約4倍に膨らんだ」(朝日)

など、損益に関する記述が中心でした。
損保にかぎらず、決算記事はたいていP/L中心の記述となりますよね。

地方紙の一部で私のコメントが掲載されたようですが(共同発)、
これも損益に関するものでした↓

「国内部門の収支改善を進めなければ、再編してもいずれ苦しくなる」

ただ、金融危機の影響ということであれば、
黒字か赤字かということよりも、B/Sに注目です。

P/Lは有価証券評価損の計上ルールによって結果が大きく変わります
(上場損保は「30%ルール」なので赤字になりやすいのです)が、
B/Sへの影響はニュートラルです。

各社の純資産(価格変動準備金を含む)をみると、
大手3社は1年間で4割超の減少、富士火災は6割超も減りました。
大手は会社価値を1年間で、それぞれ5000億円~9000億円も
減らしてしまったことになります。ものすごい金額です。

大手損保の場合、まだ健全性が揺らぐような事態ではないとはいえ、
経営者はこれを株主や契約者にどう説明していくのでしょうか?

※いつものように個人的なコメントということでお願いします。

ブログを読んで面白かった方、なるほどと思った方はクリックして下さい。