参考純率の引き上げ

損害保険料率算出機構が自動車保険の参考純率引き上げを発表しました。
自動車保険参考純率説明資料

算出機構の資料によると、今後の自動車保険の収支を試算したところ、
対人賠償保険・搭乗者傷害保険を中心に保険成績が悪化したため、
全体で5.7%の赤字になる見込みとなり、同率の引き上げを行ったとのこと。
このうち、最も一般的な自家用乗用車の引き上げは2.4%だそうです。

参考純率の引き上げとともに、年齢や運転者区分の細分化も行っています。
年齢区分では、保険証券に記名された被保険者の年齢別に、
新たに6区分が設定されました(26歳以上補償のみ)。
運転者についても、従来の「家族限定」が、「本人・配偶者限定」「家族限定」
に分かれました。こちらも年齢が関係しているようです。

この結果、若年層と高齢者の参考純率は大幅な引き上げとなりました。
例えば車両保険を付けず、全年齢補償の場合には13.6%の引き上げ
(運転者家族限定、等級20等級)、同じく車両保険を付けず、
記名被保険者が60歳以上では10.9%の引き上げです。

参考純率の引き上げはやむを得ないとしても、年齢区分の細分化については
判断が分かれるところでしょう。
「リスクの高い人は料率も高くすべき」というのは正論なのですが、
リスク細分が進みすぎると弊害もあるように思います。
今回の発表を受けて、各社は年齢区分の細分化をどこまで進めるでしょうか。

なお、かつてとは違い、保険会社は参考純率を使う義務はありません。
実際のところ、各社の損害率にはかなりの差がありますよね。
例えば、統合を計画しているMS海上とあいおい損保の保険料率は
どうなっていくのでしょうね。

※出張で台湾に来ています。

※いつものように個人的なコメントということでお願いします。

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