S&Pが米国債の格付けをAAAから1段階引き下げました。
米国債は日本国債と違い、自国外の保有者がたくさんいます。
ただ、日本における日本国債のように、グローバル経済のなかで
米国債に代わるものはありません。
それほどの混乱はないと思うのですが、どうでしょうか。
さて、7月30日に続き、ディスクロージャー誌の話です。
ある会合でいただいた「ライフネット生命の現状2011」を
アナリスト目線で(?)見てみました。
ライフネット生命のHP
2008年11月に開始した「付加保険料の全面開示」は、
ディスクロ誌にも掲載されています
(詳細はHPとなっています)。
任意開示の三利源損益(危険差益、費差益、利差益)は
利源分析の解説付きで推移が示されていますし、
ソルベンシー・マージン比率の説明もわかりやすく
工夫されています。
驚いたことにエンベディッド・バリュー(EV)の開示もありました。
しかもEEV(ヨーロピアン・エンベディッド・バリュー)です。
開業後3年ということを踏まえ、事業費の前提を工夫した
「均衡事業費ベース」での開示もありました。
新しい会社なので発生率や事業費の前提が安定していない
のではないかと思いますが、意欲的な取り組みだと思います。
あえてコメントするとすれば、開業後3年という新しい会社で、
かつ、急成長している(=コスト負担がかさむ)ところなので、
資金繰りの説明があるとありがたいですね。
例えば、2010年度の保険料収入18.2億円に対し、
事業費は27.2億円です。
新設会社は保険金等の支払いは少ないものの、
一般にコスト負担がかさみます。
韓国では1990年代後半に中小生保が相次いで破綻しましたが、
大半は歴史の浅い会社で、市場シェアを確保するため
コストをかけすぎたのが破綻の遠因になった模様です。
ライフネット生命のキャッシュ・フロー計算書を見れば、
有価証券の売却によるキャッシュインフローが
ネットで11.7億円あるので、概ねわかるのですが、
何かコメントがあるとよかったかもしれませんね。
※月島で「もんじゃの会」がありました。
写真は「まぐろもんじゃ」です。