2日(土)の日経に標準利率見直しに関する記事が出ています。
一時払いの貯蓄性商品について、現在よりも標準利率を
市場動向に連動しやすくするようです。
まだ金融庁からの公表はなく、あくまで観測記事ですが、
朝日新聞による観測記事(1月)よりもかなり具体的なので、
ようやく内容が固まったということなのでしょう。
標準利率は「生命保険料算出の基準」とありますが、
正確には(標準)責任準備金を計算する基準であって、
保険料の基準となる予定利率は各社が独自に決めています。
今年4月からの標準利率引き下げを受けた各社の対応は
結構ばらついていましたよね。
ただ、例えば標準利率よりも予定利率を高く設定すると、
責任準備金を積み立てるのが難しくなります。
このため、保険会社が標準利率から大きく乖離した予定利率を
設定することはなく、価格競争の歯止めとなっています。
確かに現行の規制では金利上昇時に標準利率がついていかず、
生保の貯蓄性商品の競争力は相対的に落ちてしまいます。
とはいえ、標準利率が金利上昇についていきやすくなることと、
各社がどのような予定利率を設定するかは別の話です。
超長期に固定利率を保証することの難しさは、現在も抱えている
高予定利率契約の負担で身にしみていると思います。
ALM(資産・負債の総合管理)の重要性が一段と高まりますね。
「いざとなったら保障性商品の利益で補填すればいい」
などと言っている人はいませんか?
なお、新たな予定利率が適用されるのは新契約だけです。
すでに販売した予定利率の低い終身保険が、金利上昇時に
どうなるかという問題は残ります。
予定利率の高い保険に「転換」なんて手があるのでしょうか?
※写真は「京の台所」として知られる錦市場です。