「リスクアペタイト・フレームワークの構築」を読みました。
著者は大山剛さんです。
銀行のリスクアペタイトに関する規制当局の動向と、
銀行がどう対応したらいいか、詳細に書かれています。
大山さんは、当局によるリスクアペタイト・フレームワーク
(RAF)構築の提案を、
「金融機関の手足だけではなく、脳や神経系統まで
縛ろうという動き」
と刺激的な表現を使っていますが、RAFそのものを
否定しているのではなく、あるべき姿から乖離した別物が
RAFとして定着してしまうことを懸念しているようです。
このあたりの議論は保険会社のERMと共通していますね。
ちなみに本書には次のようなくだりもあります。
「(リスクアペタイトの概念は)保険の世界において、
活発に議論されていた概念である」
「保険の世界の中でいち早くRAの概念が導入された
背景には、保険という業種そのものが『リスクを積極的に
引き受ける』業種だということが影響している」
確かに、本書が示すRAF構築の作業ステップをみると、
銀行で言うRAFはERMに限りなく近いと感じました。
※写真はお台場です。聞こえてくるのは中国語ばかりでした。