植村信保のブログ

保険アナリスト植村信保のブログ

2013年12月22日

生保の資産・負債ギャップ

 

先日、2014年度の国債発行計画についての報道があり、
30年債の発行を増やすとありました。

これに関連して、先月のものではありますが、財務省のHPに
生保の資産・負債ギャップに関する資料を見つけました。
超長期国債の需要がまだあることを示すものです。
国の債務管理の在り方に関する懇談会(第26回)議事要旨
(資料4が「生命保険会社の投資動向について」です)

資料のなかに、「資産および負債の金利感応度」がありました(P2)。
第一、住友、明治安田が開示しているEVを基にした試算によると、
金利水準が50bp低下すると、資産が2.2兆円増えるものの、
負債は3.0兆円も増えてしまうことが示されています。

EVの開示では、前提条件を変更した場合の感応度が示されていて、
・修正純資産の変化≒資産の変化
・保有契約価値の変化≒負債の変化
としている模様です。

「金利が下がると生保経営は厳しい」と単に言われるよりも、
「資産は増えるけど、負債はもっと増えてしまう」と示されるほうが、
理解しやすいかもしれませんね。


※いつものように個人的なコメントということでお願いします。

※写真は汐留のイルミネーションです。


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コメント一覧

金村真  (2014年07月04日 16:52:35)

・修正純資産の変化≒資産の変化
・保有契約価値の変化≒負債の変化
このようにしている理由はなんでしょうか?
EV=修正純資産+保有契約価値 なのでこれらが資産、負債の変化になることがよくわからないので質問させていただきました。よろしければご回答お願いします。

植村  (2014年07月04日 22:55:08)

金利変動により資産、負債がどう変化するかを示した図表(スライド2)についてですね。資産、負債それぞれの金利感応度が公表されていればそれを使えばいいのですが、そのようなデータが公表されていないので、おそらく次善の策としてEVとその感応度を使ったのだと思います。

EVの修正純資産は、会計上の純資産(評価差額金等を除く)に内部留保と資産含み損益を加えたものです。修正純資産の金利感応度が公表されており、金利が下がると資産価格が上昇し、修正純資産が増えると示されています(負債変動の影響は受けません)。
他方、EV全体の金利感応度も公表されているので、差し引くと保有契約価値の金利感応度が出てきます(金利が下がると保有契約価値が減る)。保有契約価値の主な部分は将来利益の現在価値なので、金利が下がると例えば将来の逆ざや負担が重くなります。すなわち、これは負債としてより大きな金額を認識しておかなければならないということを意味しており、保有契約価値の金利による変化をもって、負債の金利感応度としたのでしょう。

ただし、これはあくまでイメージをつかむための参考として捉えたほうがいいと思います。ご参考まで。

今、リスク管理を考える  (2014年07月04日 23:23:04)

> 金利が上がると例えば将来の逆ザヤ負担が重くなる

この部分がよく分かりませんでした。下がるとの間違いですかね。

植村  (2014年07月04日 23:37:26)

ありがとうございます。修正しました。

金村真  (2014年07月05日 17:41:00)

ありがとうございます。つまり資産が修正純資産、負債が保有契約価値なのではなく、修正純資産と保有契約価値の金利感応度による変化が資産負債の価格などに影響を与えるので、イメージとしてのスライドであったということですね!

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