4月6日にコーポレートガバナンス(CG)コードの改訂案が公表されました。
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改訂のポイントとして挙がっているのは、次の項目です。
・取締役会の機能発揮(プライム市場における独立社外取締役の選任など)
・企業の中核人材における多様性の確保
・サステナビリティを巡る課題への取組み
・上記以外の主な課題
東京証券取引所が準備を進めているプライム市場に関するものが目立ちますが、私が注目したのは、取締役会等の責務として初めて「ERM」が加わったことです。
これまでも基本原則4の「経営陣幹部による適切なリスクテイクを支える環境整備を行うこと」のもとで、補充原則4-3④に取締役会が監督に重点を置くべきものとして「先を見越したリスク管理体制の整備」がありました。これが今回の改訂案では「先を見越した全社的なリスク管理体制の整備」となり、取締役会が監督すべきものとなりました。ERMという用語こそ登場しないものの、過去の資料や議事録(例えば3月9日)からすると、ERMを意識した記述と考えられます。
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日本のCGコードは、経営者による過度なリスクテイクを抑えるというよりは、取るべきリスクをきちんとテイクするように促す、いわば攻めのガバナンスです。そのなかでERMが取り上げられたというのは自然な流れだと思います。
※写真は柳川の川下りです。