株価下落の影響

null

今回も生損保2008年度決算から。

生損保のソルベンシー・マージン(支払い余力)総額は大幅に減りました。
大手生損保の場合、この減少分の実に8割前後が株価下落によるもの。
不動産関連投融資の損失や信用リスクの顕在化に苦しむ欧米勢、
あるいは日本の銀行とはリスク構造が明らかに違います。

外部からは「保有株式の変動リスクが大きい」と指摘されていたものの、
2003年以降の株価上昇局面でもリスク圧縮があまり進まなかったようです。

今回の株価下落局面ではどうだったのでしょうか。
各社とも「金融危機のなかでリスクを抑える方針」とのことでしたが...

決算データ(取得価額と減損額)から売却額を試算してみたところ、
大手で一定程度の株式を売却したと思われるのは
第一生命と明治安田生命、東京海上、日本興亜くらいでしょうか。
残高がほとんど変わっていないと見られる会社も多いですし、
日本生命や三井住友海上などはむしろ残高を増やしたようです。

リスクを抑える方針とは言うものの、最大のリスク要因である株式を
相場の上昇局面でも下落局面でも売れないというのであれば、
いったいどうするつもりなのでしょうか?

※写真は野川で見つけた水車です。

※いつものように個人的なコメントということでお願いします。

ブログを読んで面白かった方、なるほどと思った方はクリックして下さい。