IMFによる日本の金融セクターの評価プログラム
(FSAP JAPAN)について以前ご紹介しましたが、
IMFが昨年秋に米国に対して実施したFSAPの
評価レポートが公表されました。
保険セクターの評価レポートへ
さっそく保険セクターに対する評価レポートを見ると、
26の評価項目のうち、
Observed(O)が8
Largely observed(LO)が13
Partly observed(PO)が5
Not observed(NO)が0
という結果で、POという低い評価が5つありました。
POとなった項目は次の通りです。
ICP1(監督者の目的、権限および責任)
ICP2(監督者)
ICP7(コーポレートガバナンス)
ICP14(Valuation)
ICP23(グループベースの監督)
ちなみに、2011-12年のFSAP JAPANでは、
Observed(O)が12
Largely observed(LO)が10
Partly observed(PO)が4
Not observed(NO)が0
という評価で、POとなった項目は、
ICP2(監督者)
ICP14(Valuation)
ICP24(マクロプルーデンス)
ICP26(クロスボーダー協力・協調)
でした。個人的な印象ですが、前回の日本よりも
低い評価だったのではないでしょうか。
IMFは「前回よりはかなり改善された」とするものの、
伝統的な州規制と、新たに創設された連邦規制の
調和が総じてうまくはかられていないと評価した
のかもしれません。
FRB(=連邦規制)に対しては、次のようなコメントも。
・規制の目的に保険契約者の保護が含まれていない
(IMFは危機時のコンフリクトを懸念)
・グループベースの規制資本が定められていない
・ERMやORSAを求めるのであれば、保険監督に関する
専門性を高めるべき
・規制には銀行と保険会社の違いを反映させるべき
英語なので読むのが大変ですが、米国の保険市場や
保険監督を知るのに参考になると思います。
※左は中目黒駅ホームからの写真です。