第一生命と日本生命が、りそなホールディングスとの
資本関係を強化するという報道がありました。
例えば6日の日経夕刊を見ると、
「第一生命と日生がりそなと資本関係の強化に踏み切るのは、
銀行窓口での保険販売を拡大させるためだ」
「第一生命と日生は出資をテコに銀行窓口で貯蓄型商品などの
販売を増やす」
とあります。他のメディアも、「出資で保険販売強化」という論調。
完全にプレーヤー目線です。
昨年5月に保険業法が改正され、保険募集の基本的ルールが
全面的に見直されようとしているタイミングなのですが...
保険業法見直しのきっかけとなったのは、複数保険会社の
商品を販売する「乗合代理店の出現」(金融庁資料より引用)です。
乗合代理店が特定の商品の提示・推奨を行う場合には、
その理由を顧客に説明することになりました
(乗合代理店に対する情報提供義務)。
ある生保が銀行の大株主になったからといって、
その生保の商品しか取り扱わないというなら話は別ですが、
たいていの銀行は乗合代理店です。
資本提携イコールその生保の商品が売れるようになると
単純に考えるのは新たなルールの下ではおかしな話であって、
顧客に勧めるだけの何らかの理由が必要となります
(保険会社は当然そんなことはわかっているはずです)。
実は、同じ日の日経には保険ショップに関する記事があり、
「(金融庁は)販売が特定の商品に偏りすぎていないかや
契約者への薦め方が適切だったかを重点検査する」
「保険ショップが保険会社から受け取る割高な手数料を
目的にした販売を是正する狙い」
「特定の保険会社と資本関係があり、その会社の保険販売を
強化している場合には、その事実を顧客に伝えるよう指針に明記」
と書いているのですね。
なお、「りそな出資」が報道の通りだとしても、それぞれの保険会社は
目先の貯蓄性商品の販売というよりも、もう少し中長期的な視点から
資本関係の強化を行うのではないでしょうか。
マスコミ的には両生保の保険料競争が面白いのかもしれません。
しかし、今の金利水準(海外を含む)で貯蓄性商品をがんがん提供する
保険会社があるとは思えないのですが。
※大倉山公園の梅が咲き始めました。