プルデンシャル生命の決算

5月26日に公表されたプルデンシャル生命の決算資料を見てみました。同社は金銭不祥事等の発覚を受け、2月9日から新規契約の販売活動を自粛しています。

まず、1-3月期のみの新契約指標を計算したところ、新契約年換算保険料(ANP)は前年同期に比べて48%減少、個人保険の新契約件数は63%減少、新契約高は56%減少でした。4-6月期はさらに減っていることでしょう。
なお、保険料収入(保険料等収入ではありません)の減少が16%と緩やかなのは、同社は一時払いの契約が少なく、保険料収入の多くが月払いまたは年払いの既契約からの収入となっているためです。

解約動向も気になるところですが、公表されているのは損益計算書の解約返戻金だけのようです。1-3月期の解約返戻金を計算すると1784億円で、これは前年同期(1124億円)の約1.6倍となります。ただし、仮にこの水準の解約が1年続いたとしても、解約失効率はおそらく15%程度で、2割とか3割とかにはならないのではないかと思います。
この程度の流出であれば、資金繰りの面でも含み損を抱えた公社債の売却を迫られるようなことはなく、実際、同社の国債等債券売却損は通期で36億円にとどまっています。

他方、日本の会計基準では今回の金銭不祥事等による損益への影響はほとんどつかめません。2026年3月期の当期純利益は前期比52%の減少でしたが、これは前年度に再保険取引に伴う臨時損益(約290億円)があったことの反動減であり、特別損失として顧客への補償費用47億円を計上したにもかかわらず、実質的にはほぼ横ばいでした。
こちらのブログで紹介したように、同社の親会社Prudential Financialは5月6日開催のIRミーティングで、「1-3月期における販売自粛による損益への影響は1.3億ドル(約200億円)で、このうち0.5億ドル(約80億円)が顧客対応、0.5億ドル(同)が営業職員への手当で、販売自粛と解約に関する損失は0.3億ドル(約46億円)」と公表しています。
しかし、日本基準の決算からは、約200億円の影響があるとは全く読み取れません。同社は「十分な利益水準を維持しております(同社の決算ニュースリリースより)」と述べるのではなく、親会社が示した「200億円」が決算にどのように反映されているか(あるいは反映されていないか)を一般に示すべきではないでしょうか。

※写真は北越の小京都と言われる加茂の町です。

※いつものように個人的なコメントということでお願いします。

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