昨日(5日)明治大学で、日本保険・年金リスク学会(JARIP)の
研究発表大会がありました。
保険や年金に関する様々な研究発表がありましたが、
最も刺激的だったのは、一橋大学・米山高生教授の
特別講演ではなかったでしょうか。
タイトルとなっている「保険をめぐる二つの世界」とは、
「伝統的な保険論」と「リスクマネジメント&保険」です。
「伝統的な保険論」は供給者の視点に立っており、
収支相等の原則からはじまる保険論です。
予定調和的な世界を前提にしており、
価格は保険数理による決定論的な世界で決まります。
これに対し、「リスクマネジメント&保険」は需要側から
マーケット(=自由競争)を前提に考えるものです。
予定調和ではなく不確実な世界であり、
価格は確率論的な世界で決まります。
そして、
「伝統的な保険論では解決できない問題や苦手とするテーマも
需要側からマーケットを前提に考えると解決できる」
「今後の保険教育は伝統的な保険論(保険数理を含む)に加え
リスクマネジメント&保険、金融工学、コーポレートファイナンス
の4領域が主軸になる」
というのが先生の結論だったようです。
保険数理の専門家がリスクの専門家になれるかどうか。
アクチュアリー会でも話していただいたらいいかもしれませんね。
※写真は第三京浜の高架橋なのですが、格付けに見えてしまいます^^