12月の「保険学雑誌 第623号」(日本保険学会)のなかに
次のような記述がありました。以下に引用します
(滋賀大学・久保英也先生の論文です)。
「日本は世界の保険市場シェアにおいて生命保険分野で20%、
損害保険分野で10%を占める保険大国であるが、
学会はその産業基盤を十分生かしきれていない」
「本来保険の知識基盤となるべき大学において、保険についての
基礎教育や実務にも適用する高度専門教育、そして、実務に
資する実証的研究はほぼ放棄されているように見える」
「基礎教育は両業界の協会や生命保険文化センター、
損害保険事業総合研究所などの団体が細々とこれを担い、
高度専門能力はアクチュアリー会等が、そして、実務に資する
研究は保険会社の調査部や付属研究所がこの役割を担ってきた」
「この状況は、保険業界の日本保険学会の活動への信頼感や
各大学における保険学、とりわけ、保険経済分野における
ステータスを減じ、大学における保険学の人事ポストの減少を
誘因する一因となっている」
「欧米や中国等アジア諸国でも保険・リスクマネジメントは
専門の学部さえ存在する。国際的には大学における重要分野である
はずだが、日本だけが保険経済分野の地盤沈下が激しい状況にある」
本論文のテーマは中国の保険教育なのですが、
日本の現状をここまで明確に記したものを初めて目にしました
(「ほぼ放棄されているように見える」なんて、すごい表現ですね)。
私も関わっている、損保総研のERM経営研究会では、
テーマの一つに産学協働を挙げ、業界メンバーのほか、
保険経済分野の先生がたに参加いただいています。
実際に動きはじめてみると、そう簡単ではないことがわかります。
それでも何かできないかと模索しているところです。
構造的な面も大きそうですが、現状のままではもったいないと思います。
※香川のお雑煮は、白味噌にあんこ餅という組み合わせ。
一度食べてみたかったのですが、念願がかないました。
新橋の「せとうち旬彩館」で15日まで食べられますよ!