まず、2月の大雪に伴う保険金の支払見込額のニュースから。
発表によると、東京海上が550億円程度(3/18時点の速報値)、
MS&ADが750億円規模(3/20時点)の支払いを予想しているそうです。
NKSJも、公表した事故受付件数などからすると、数百億円規模でしょう。
損保による自然災害の支払額としては、おそらくワースト5に入るのでは。
各社とも火災保険が支払見込額の大半を占めているようですが、
モノ保険だけではなく、物流が止まったことによる損害などもあり、
台風による風水災とは請求の特徴が異なるかもしれません。
この時期なので保険金の支払いが次年度にずれ込み、
支払備金の繰入が会計上の損益を圧迫することになりそうです
(支払いがなければ異常危険準備金が取り崩されないため)。
東日本大震災のときもそうでしたね。時期の問題だけなのですが。
他方、24日の日経に「再保険コスト下げ局面」という、
比較的大きめの記事が掲載されました。
日米欧などで金融緩和が長引き、再保険市場に年金基金などの
資金が流入しているため、来年度の国内損保の再保険コストが
約15年ぶりに減少する見込みというものです。
「緩和マネーの流入が、損保の採算改善にもつながってきた」
「海外の再保険会社は日本の再保険引き受けを敬遠していた」
かはともかく、確かにこの分野への資金流入は見られるようです。
一つは記事にあるような、大災害債券(キャットボンド)など、
保険リスクを対象とした証券への投資があります。
もう一つはバミューダ勢など再保険会社への出資です。
このような資金流入もあり、近年の再保険市場では
キャパシティの拡大が続き、多少の自然災害が発生しても、
そう簡単には市場がハード化しない構造となっているとか。
記事には次のような気になる記述もありました。
「(損保各社は)リスクに見合った保険料を徴収できていない」
「企業向けの火災保険や地震保険が実質的に赤字の損保も多い」
事実であれば「逆ざや」が恒常化しているということですが、
真相はどうなのでしょう。
※井の頭公園の池に水が戻っていました。
桜は三分咲きといったところでしょうか。