プライム市場と流通株式

本題の前にいくつかご案内です。

損保総研のセミナー

1月26日(火)の夜に損保総研の特別講座で講師を務めます。
演題は「新たな健全性規制下における保険経営のあり方 ~アカデミズムの視点も含めて~」で、今回はweb配信のみとなっています。19:00から1時間お話しして、その後質疑応答とのこと。ご関心のあるかたは(有料ですが)ぜひご参加ください。1月19日締め切りだそうです。

保険毎日新聞のインタビュー記事

業界紙・保険毎日新聞に2020年4-9月期決算についてのインタビュー記事が載りました。14日が主要生保、15日が3メガ損保グループです。
それぞれ見出しだけご紹介すると、主要生保では「金融市場の回復が追い風に」「価格変動リスクを抑える動きも」「コロナ禍で各社の強み問われる状況に」、3メガ損保では、「海外事業を国内事業がカバー」「コロナ禍の活動制限がプラスに作用」「余剰人員の活用が今後の課題に」となっています。

さてさて、本題はこちらです。
昨年末に東京証券取引所から、取引所の市場区分を見直し、現在の市場第一部、市場第二部、マザーズ、JASDAQ(スタンダード・グロース)の5区分を改め、「スタンダード市場」「プライム市場」「グロース市場」の3区分に再編するという案の発表がありました。
詳しくはこちら(市場区分の見直しに向けた上場制度の整備について(第二次制度改正事項))をご覧ください。

市場区分の見直しとともに、東証は市場における流動性(=売買実績)を確保するために「流通株式」の定義を見直し、銀行や保険会社、事業法人等が持つ株式を、保有割合に関わらず流通株式から除くことにしました(現在は上場株式数の10%以上を所有する場合に除くルール)。
プライム市場の上場基準となる流通株式比率は35%以上(スタンダードとグロースは同25%以上)なので、銀行や保険会社、事業法人が安定株主となっている銘柄はプライム市場に上場しにくく、この基準によって政策株式の売却を加速させる狙いがあるのかもしれません。

ただし、所有目的が「純投資」であれば、銀行や保険会社が保有していても流通株式として取り扱うそうです。
3メガ損保グループが保有する株式は大半が政策保有株式なので流通株式から除く一方、大手生保の保有する株式は多くが「純投資」とされているため、流通株式として扱われます。結果として、生保の株式保有が増えるなんてことにならないかどうか、注目していく必要がありますね。

※この週末の福岡は好天で何よりでした。

※いつものように個人的なコメントということでお願いします。

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