二重構造とダブルスタンダード

今回は執筆のご案内です。金融業界ではよく知られている専門誌『週刊金融財政事情』の2026年11月3日号の特集は「望まれる保険代理店像」でして、

・金融庁の三浦参事官(保険担当)のインタビュー記事
・篠原孝典弁護士による「新しい比較推奨販売体制の定着に必要な保険会社と代理店の対応」
・編集部による「健全な競争環境を築くための実行フェーズに移る保険代理店改革」

とともに、私の寄稿した「制度整備に向けた保険流通改革の進展と乗り越えるべき課題」が掲載されています。きんざいで保険の特集記事が載るのは久しぶりではないでしょうか。きんざいOnlineの会員になると記事ごとの購入もできるようです。

私の論考は、保険会社の経営がどう変わるかという観点で書いたものです。これから本格化する取り組みも多いなかで、今後注目すべきは保険会社と代理店の「二重構造問題」と、代理店政策の「ダブルスタンダード」を解消できるかどうかと述べています。
保険ジャーナリストの中崎章夫さんはチャネルごとのダブルスタンダードを以前から問題視した発信をされていました(私も3年前の日経・経済教室「曲がり角の損保経営」などでダブルスタンダードについて触れています)が、総じて「二重構造問題」に比べると、このような言い方ではあまり語られてこなかったように思います。
とはいえ、今後は自動車ディーラーや整備工場、企業内代理店、金融機関など特定チャネルの優遇はできなくなるはずで、特定チャネルに向けたマーケティング戦略はありうるとしても、保険業務の専門性に欠けたままの代理店には市場から退場していただく。もちろん、はじめに解除ありきの対応は乱暴ですが、金融庁と国土交通省が10月13日に連名で出した「損害保険業界の信頼回復に向けた取組の適切な運用について(要請)」を踏まえても、大きな流れを変えるべきではありません。

なお、個人的にはこの文書の「二輪車販売店や整備工場等の保険代理店は、無保険車対策や利用者の負担軽減に寄与しており、重要な役割を果たしております。このような代理店の減少は、自賠責保険を始め、顧客が適切な保険サービスを受ける機会の喪失にもつながりかねません」というところには強い違和感を覚えました。小型バイクには車検がないので、無保険車が発生しやすいところを、二輪車販売店や整備工場が自賠責の更新を促しているということかと思いますが、代理店の業務品質向上とバイクの無保険車対策は別の話ですよね。

※写真は夜の大濠公園です。

※いつものように個人的なコメントということでお願いします。

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