主要生損保の2010年4-12月期決算が出そろいました。
「主要生保 8社減益」
「3メガ損保 2社が減益」
「生保8社 株価低迷などで5社が減益」
「損保は2社が減益」
このような報道が中心だったようですが、
果たして「減益」にどのような意味があるのでしょうか?
例えば生損保の最終利益は、たまたまその期に
多額の資産売却益があると大きく膨らむでしょう。
評価損の場合には、株価下落の影響が同じであっても、
採用する減損ルールによって計上額が全く異なります。
保険関連の損益にしても、販売が好調な時ほど
新契約獲得費用がかさみ、減益になりがちです。
損保の損害率が上昇しても、異常危険準備金が
ある程度クッションになります(枯渇してしまえば別ですが)。
今回の生保決算では基礎利益の減益要因として
変額年金の最低保証関連コストが大きかったようです。
しかし、これは「本業のもうけを示す」のでしょうか。
今の日本の保険会計をもとに、他業界と同じ流れで
「減収となったものの、基礎利益は増加した」
「増収ながら減益を余儀なくされた」
などと解説しても、何も言っていないのと同じだと思います。
もう少し中身に注目したほうがいいのではないでしょうか。
※いつものように個人的なコメントということでお願いしますね。