日本生命が三井生命を買収するというニュースは
各紙で大きく取り上げられました。
私への問い合わせも、海外M&Aのときとは
比べものにならないほど多かったです。
今のところ朝日新聞とBloombergにコメントが
掲載されています。
問い合わせで目立ったのは、
「成長性の低い国内事業を買収できるのは
(株主がいない)相互会社だからではないか」
というもの。これに対しては、
・日本生命のグループ戦略の全体像を見たうえで
判断したほうがいいのではないか
・もし、EVや修正純資産が7000億円超の会社を
安く買えるのであれば、社員にメリットがあるはず
(ここで言う「社員」は相互会社の社員=契約者)
といったコメントをしたのですが、いかがでしょうか。
「国内生保の再編が進むのでは」という質問(期待?)
も多かったですね。これも私にはピンときません。
そもそも大手銀行や損保で再編が進んだからといって、
生保で再編が進むとは限らないと思うのですね。
たまに「会社の数が多すぎる」という声を耳にしますが、
日本の生保市場の規模を考えても、競争状況を見ても、
多すぎるという印象はありません。
なにより、収益を上げるビジネスモデルを維持している
という点が大きいと思います。
預貸の利ざやで稼ぐ商業銀行のビジネスモデルや、
料率自由化で保険収支が一時悪化した損保に比べると、
保有契約のみならず、新契約でも生保はきちんと収益を
確保できている状況です。
加えて、再編シナジーを出しにくいことも挙げられます
(例えば、契約期間が長いので、システム統合が難しい)。
いずれにせよ、関係者からの正式な発表を待ったうえで、
いろいろと考えてみたいと思います。
※写真左はカメハメハ大王、右は戦艦ミズーリです。