「金融庁は2020年をめどに大手保険会社に国際的な資本規制を
適用する方針を固めた」(15日の日経)
「金融庁が、大手保険会社に対し、平成32年をめどに国際的な
資本規制を適用する方向で調整を進めていることが15日、
分かった」(16日の産経)
金融庁が国際的に採択した資本規制(ここではICSのほう)を
適用しないという選択肢があるとは考えにくいのですが、
それはさておき、各紙とも保険商品や資産運用への影響を
懸念するトーンです。
「負債の計算方式が『償却原価』から『時価評価』に変わる」、
あるいは、「保険契約の価値を厳しく見積もる手法を導入」
と、経済価値ベースの評価を懸念しているように見えます。
しかし、ICSの対象となりそうな第一生命やメガ損保各社の
投資家向け説明会の資料を見ると、いずれの会社でも
経済価値ベースでのリスク量と資本量を公表しており、
すでに対応済みの状況と言えそうです。
<参考>
第一生命の決算・経営説明会資料(28ページ)
東京海上の新中期経営計画IR説明会資料(18ページ)
それより気になるのは、次の2点でしょうか。
1.ICSは現在、2つの評価方法の収斂を図っていますが、
2019年になっても収斂できなかった場合、どうなるのでしょうか。
2.国際規制とは別に、金融庁は国内規制の見直しも検討中です。
経済価値ベースのソルベンシー規制が俎上に載ってから
もう8年になり、この間、フィールドテストも複数回行いました。
「広範な議論」に加え、そろそろスケジュールを示してほしいところ。
いつまでも国際規制を待っている必要はないと思うのですが…
※先日、久しぶりに横浜のシーバスに乗りました。