保険代理店の情報交流組織であるRINGの会が主催する「RINGの会オープンセミナー」が今年で20回目を迎えます。
第1回のセミナーが開かれたのは1999年10月で、当時日本FP協会理事長だった牧野昇氏の基調講演の後、保険ジャーナリストの中崎章夫さんと石井秀樹さんをパネリストに迎えた「これからの保険業界」、RINGメンバーによるパネルディスカッション「勝ち残る代理店営業戦略は何か?」という構成だったようです。
1999年10月といえば、三井海上と日本火災、興亜火災の3社が将来の事業統合・再編を目指した包括提携を発表し、損保業界再編の口火が切られた時でした。その後、第1次再編、第2次再編を経て、現在のような3メガ損保グループが市場シェアの大半を占める状態となりました。
他方、生保では1999年6月に東邦生命の経営が破綻し、その後も中堅生保の経営破綻が相次ぐとともに、外資系・損保系生保の存在感が高まっていくことになります。
日本最大級の保険流通セミナーに成長
オープンセミナーに話を戻しますと、毎年1回のペースでセミナーが開かれ、近年はパシフィコ横浜の国立大ホールで1000人規模の保険流通関係者が集まる大イベントに成長しました。
私がオープンセミナーに関わるようになったのは2007年の第9回からで、途中からアドバイザーに就任したこともあって、これまでに5回登壇しています。
そして20回目の今回は、午前中のパネルディスカッション「自由化後20年 保険ビジネスはどこに向かうのか」のコーディネーターを務めることになりました。
パネリストは、生損保経営の経験があり、今は日本最大級の来店型代理店トップを務める窪田泰彦さん、長年にわたり外資系保険会社(AIGですね)の経営を担ってきた横山隆美さん、日本損害保険代理業協会の専務理事として10年近く保険代理店に寄り添ってきた野元敏明さんです。
いずれも保険業界を「よく知っている」皆さんですから、コーディネーターとしては、保険流通の現場ではなかなか聞くことのできない話をお届けできるのではないかと、自分でも楽しみにしています。
予定調和ではないプログラム
それはそうと、今回のプログラム全体を見わたすと、会場の多くを占めるであろうプロ代理店の経営者は1人(ソフィアブレインの小坂学さん)しか登壇しません。
第2部は保険会社の未来戦略の本当のところを中崎ジャーナリストが引き出そうという企画ですし、第3部は「真の顧客本位とは何か」について深掘りするものです。
これまでのオープンセミナーでは、第2部または第3部にプロ代理店の経営者がずらっと登壇し、成功事例や工夫している取り組みを語っていただく。それを聴いた会場のプロ代理店の皆さんも話に納得し、安心して帰る、というパターンが多かったように思います(あくまで個人的な見解です)。
しかし、20回目の節目を迎えた今回は、いろいろと検討した結果だとは思いますが、そのような予定調和的な企画ではない、ある意味挑戦的(挑発的?)なプログラムのようです。
「代理店が主役ではないのか?」「上から目線?」そんなお叱りもあるかもしれませんが、保険流通に関わる皆さんは、6月にぜひ横浜にお越しいただき、RINGの会の挑戦を正面から受け止めていただければと思います。