監査事務所のレポート

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公認会計士・監査審査会が昨年に続き、
監査事務所の状況等をまとめたレポートを
公表しました。
「平成29年版モニタリングレポート」

前回に比べると、分量の多さに圧倒されます
(前回:全28ページ ⇒ 今回:全83ページ)。

ざっと読むと、大手監査法人とそれ以外では
単に規模だけでなく、顧客基盤も事業構造も
全く異なると言っていいほど違うのですね。

例えば、グループ全体の業務収入のうち、
準大手では監査証明業務の収入が大半を
占めるのに対し、大手では非監査証明業務の
収入が5割を超えています。

今回のレポートでも、監査人が変わると報酬が
減る傾向が示されています(69ページ)。
監査報酬は大半がタイムチャージ方式ですが、
次のような事例紹介もありました。

「大手監査法人同士の異動のうち、初年度監査
 や会計基準の変更に伴い監査時間が増加する
 ことを反映しないで監査報酬を見積り提案して
 いる事例があった」

「当該事例では、前任監査人と比較して監査報酬
 が減少しており、その後の実際の監査時間は
 見積時間を大幅に超過していた」

高い品質を求められる一方、4社の寡占市場にも
かかわらず、報酬引き下げ圧力にさらされ続け、
非監査証明業務への依存度を強めているという
大手の姿が浮き彫りになっています。

※写真は静岡鉄道です。
 駿府城の近くにターミナル駅がありました。

※いつものように個人的なコメントということでお願いします。

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