今年(2014年)は日本で自動車保険が発売されてから
100年の節目の年なのだそうです。
保険毎日新聞の特集によると、100年前(大正3年)の
国内での自動車保有台数は1000台余りだったそうで、
自動車保険は事故の際の賠償責任への備えというよりも、
自動車という当時はまだ珍しかった財産に掛ける財物保険
としての意味合いが強かったとか。
海外からの輸入品だった当時の自動車は、
今の価値で少なくとも1000万円以上したと思われます。
その後、戦後の高度成長とともにモータリゼーションが進み、
自動車が急速に普及するにつれ、自動車保険は
損保の主力商品に成長していきます。
しかし、1990年代からの20年間をみると、保険自由化や
リスク細分型保険、通販といった新たな動きの半面、
成長が止まり、各社は収支確保に苦労するようになりました。
同じ特集のなかで、損保協会の深田一政常務理事は、
インタビュー記事の中で次のようなコメントをしています。
「自動車保険自体が利益率の高い商品ではなく、
世界中の保険マーケットを見ても各保険会社はぎりぎりの
経営努力の中で競争に生き残っているのが現状」
「どういったマーケットにフォーカスし、どういったチャネルを活用して、
どのような付加価値をつけて自動車保険を販売するのか」
「そもそも自動車保険を引き続き経営の柱にするのか、
それとも新たな基幹商品を模索するのか、各社ごとに
自動車保険に対する位置付けが大きく変わる可能性もある」
まさに、10年先、20年先を見据えたビジネスモデルの構築が
求められているように私も思います。
※写真は渋谷駅です。