あけましておめでとうございます。
年末からのユーロ安の流れが続いているようですね。
引き続き不安定な金融市場を予感させます。
さて、日銀が30日に公表した12月実績速報によると、
年末の日銀券残高が83兆9970億円となり、
過去最高を更新したそうです。
超低金利の影響でいわゆる「たんす預金」が増えているほか、
東日本大震災を契機に、手元に現金を用意しておく
家庭や企業が多かったのではないかと見られています。
預貸率の低下もそうですが、日銀が資金を供給しても
経済活動に回らず、お金が滞ってしまっているのでしょう。
この日銀券の残高は、単に現金の動向を示すだけではなく、
日銀が保有する国債残高の上限ともなっています。
最近の国債保有残高は63兆円前後で推移しています。
日銀券の残高が増え続けていることもあって、
国債残高が増えているにもかかわらず、
今のところ上限まで約20兆円の余裕があります。
ただ、日銀による国債買い増しへのプレッシャーは
引き続き強そうですし、他方で、何らかの要因により
「たんす預金」が急減することも考えられます。
ちなみに、2001年の銀行券残高は60兆円程度、
国債保有残高は約45兆円でした。
上限までの余裕がなくなったとき、日銀はどうするのでしょうか。
難しい判断を迫られそうです。
中央銀行の国債購入と言えば、ECB(欧州中央銀行)が
国債引き受けの増額を市場から迫られていますね。
「財政規律を歪めるべきではない」という声(主にドイツ)と
「市場の安定化を優先すべき」という意見が対立していますが、
国債の大量償還を迎えるこの数カ月が最初の山場となりそうです。
※写真は鎌倉・鶴岡八幡宮です。
正月にはこんな写真は撮れないでしょうね^^