生損保決算から(その3)

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損保系生保が業容を拡大しています。
変額年金が主体の2社はやや苦戦しているようですが、
いわゆる「ひらがな」生保は、大手生保が契約を減らすなか、
保有契約高、年換算保険料ともに拡大が続いています。

損保系生保のビジネスモデルといえば、
損保代理店が生保も販売する「生損保クロスセル」
というイメージをお持ちだと思います。

ところが、各グループのIR資料を見ると、意外にも(?)
チャネルの多様化が進んでいることがわかります。

例えば、あんしん生命のチャネル別保険料のうち、
「損保代理店」は全体の55%にすぎません(2010/9期)。
他には「ライフプロ」(生保代理店)が30%、
「ライフパートナー」(営業職員)が10%を占めています。

NKSJグループの生保(ひまわり生命、日本興亜生命)でも、
「損保代理店(研修生を含む)」は39%、「生保プロ」が26%、
金融機関11%などとなっています(2009年度)。

注目すべきは、グループ損保の代理店とは別の、
一般代理店の存在が大きいことです。

MS&ADグループの生保(きらめき生命、あいおい生命)の
チャネル別データは公表されていませんが、
「当社の強みである来店型保険代理店のノウハウを活用」
(あいおい生命)という記載がIR資料にありました。

保険ショップに代表される一般代理店チャネルは
成長市場とはいえ、乗合かつ大規模な代理店なので、
保険会社間の競争が非常に激しい市場でもあります。

チャネル別収益などをしっかり管理して、
規律ある競争ができるかどうかがポイントなのでしょう。

それにしても、大手生保の動きだけを見ていては、
市場の動向をつかむのが難しくなったと感じます。

※写真はトレッサ横浜です。

※いつものように個人的なコメントということでお願いします。

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