「僕は君たちに武器を配りたい」(講談社)を読みました。
著者は「京大NO.1若手人気教官」の瀧本哲史さんです。
「これから社会に旅立つ、あるいは旅立ったばかりの若者が、
非常で残酷な日本社会を生き抜くための、『ゲリラ戦』のすすめ」
とありますが、社会に旅立ってからすでに20年以上たつ私にも
興味深い内容でした。
「コモディティ化」の潮流が、世界のあらゆる産業で
同時に進行するなかで、企業や個人にとって重要なのは
「コモディティにならないようにすること」です。
そのために、本書では「投資家的生き方」を勧めています。
詳しくは本書をご覧下さい。
ところで、本書では例え話として、メジャーリーグでの選手の
年棒査定方法を取り上げています(守備について)。
かつての野球選手は、エラーが少ない人ほど守備がうまい、
と見なされていました。
ただ、エラーの数で判断すると、簡単なフライを捕球しても、
エラーの危険を冒して難しい打球に飛びつきアウトにしても、
評価は同じです。難しい球を捕りにいってエラーをするより、
はじめからヒットにしてしまったほうが、評価は悪くなりません。
つまり、この評価方法では簡単にヒットを許してしまうことになり、
点を取られてしまう、すなわち、試合に勝てなくなってしまいます。
そこで現代のメジャーリーグでは、どれだけ自分の守備範囲で
アウトにすることに貢献したか、という観点から守備力を
評価するようになったそうです。
すべてのアウトカウント数27個のうち、その選手がいくつに
関わったかを見ていきます。
これだと積極性が高い選手ほど、評価が高まるわけです。
部分的にはいいと考えても、全体から見ると本末転倒、
ということは、リスク管理の世界でも起こりうる話ですよね。
※ようやく大倉山の梅も見ごろを迎えました