少額短期保険の現状

 

この年末に、普段あまりフォローしていなかった
少額短期保険業についてまとめる機会がありました。

まず会社数に驚きました。新規参入が続いた結果、
80社に達しているのですね(2014年11月現在)。
このうち7割が関東財務局の登録となっています。

「少額」「短期」なので保険料規模は約600億円ですが、
契約件数はすでに600万件を超えています。
収支の面では3分の2以上の会社が黒字化したとのこと。

もっとも、分野別には「家財・賠責」が圧倒的に大きく、
保険料の7割以上、契約件数の約9割を占めていました。

生損保の兼営が可能で、多種多様な保障(補償)を
提供できるのが少額短期保険の特長と言われるものの、
賃貸住宅入居者を対象とした家財・賠責分野のほかは
まだまだこれからのようです。

少額短期保険は事業内容がシンプルなはずなのに、
経営内容をつかむのが意外に難しいこともわかりました。

一つは再保険の活用です。

収入保険料が年50億円を超えると、保険会社の免許が
必要になります。そこで、収入の一部を再保険に出すことで
対応している会社が多いようです。
なかには保険料の半分近くを出再する会社もありました。

制度上しかたがないとはいえ、リスク移転の実態や
収支への影響、特定先への偏りなど、いろいろ気になります。

もう一つは情報開示の問題です。

会社の経営方針や財務内容を調べようとしても、
ディスクロージャー誌をウェブに掲載していなかったり、
決算公告で貸借対照表しか出していなかったりと、
情報開示の点で問題のある会社がそこそこ見られました。

規模が小さいとはいえ、不特定多数の加入者から
保険料を受け取り、保障(補償)を提供している業態なので、
これはあまりよろしくない話ですね。

・参考:日本少額短期保険協会

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※写真は北前船で栄えた富山港(岩瀬)の町並みです。

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