ヨーロッパ便り(その1)

 

金融市場混乱の影響は米国の金融機関だけではなく、
ヨーロッパの金融機関にも大きな影響を与えました。

日本では米国の金融機関については大きく報道されるのですが、
ヨーロッパの動向は断片的にしか伝わってきません。
英国やオランダをはじめ、各国政府は自国の金融機関に
公的資金を何度も投入したり、リスクの高い不動産関連資産の
保証をしたりといった支援を行っています。

もちろん、支援を受けた金融機関では、コスト削減やリスク圧縮、
事業見直しなどの再建計画を立て、実行しているところです。
決算発表等でリストラ計画の進捗状況を公表し、
「計画を上回るペース」などと報告する金融機関も見られます。

ところが複雑なのは、欧州連合(EU)の存在です。
欧州連合の執行機関である欧州委員会はこの8月、
政府の支援を受けている金融機関に対し、
改めて大規模なリストラを求めました。
競争条件の公平さを保つため、個人・法人向けを問わず、
売却などによる事業再編を促しているようです。

自国政府とは別に、国際的な上位組織からリストラ計画の
見直しを求められるとは、日本ではなかなか考えにくいことです。

ただ、今週発表になった、中央銀行総裁・銀行監督当局長官グループ
(バーゼル銀行監督委員会の上位機関)のリリースでも、
規制の強化とともに、「国際的な調和」が何回も出てきます。

ポスト金融危機の世界では、国際的な組織や会合の影響力が
これまで以上に大きくなっていくのでしょう。
日本も国際的な場でいろいろ主張していかないと、
他人が作った規制を単に受け入れるだけになってしまいます。

※写真はアムステルダムです。自転車が目立ちます。

※いつものように個人的なコメントということでお願いします。

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