
保険代理店向けメールマガジンInswatch Vol.1340(2026.8.17)に寄稿した記事を当ブログでもご紹介いたします。千葉の豪雨にもびっくりしました。
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前回の本誌で「2016年の熊本地震を受けて、熊本県では家計向け地震保険の加入率が急上昇する一方、中小企業の多くは地震をカバーする損害保険に加入していない」と書きましたが、まさかその直後に大地震が起きるとは思いませんでした。保険が被災した方々の役に立つといいですね。
火山災害の遺構を見学
今回も大学ネタで恐縮です。リスクと保険を学ぶ植村ゼミでは夏休みを利用して、約35年前に雲仙普賢岳の大規模な噴火による被害を受けた長崎県島原を訪問し、自然災害の猛威や復興の取り組みを見聞きしました。
島原は有明海をはさんで熊本の対岸に位置しており、今回の熊本地震では島原市と雲仙市で震度4、南島原市で震度5強を観測し、市街地の背後の山(眉山)では表層の一部が崩れました。とはいえ、長崎県では熊本のような被害はなく(物が落ちる程度)、ホテルも通常営業でした。
ただし、熊本地震の被災状況が連日報じられ、九州観光が自粛モードとなっているためか、翌日立ち寄った長崎市街には、夏休み期間にもかかわらず観光客の姿が例年よりもやや少なかったように見えました。
災害の猛威
普賢岳の噴火と言えば、多くの報道関係者が犠牲になった1991年6月の火砕流の印象が強いかもしれません。この火砕流では43名の死者・行方不明者が出ました。取材中の報道関係者だけではなく、警戒にあたっていた地元の消防団員や同行したタクシー運転手なども犠牲になりました。
しかし、災害はこの火砕流だけではありませんでした。91年以降、火砕流や土石流が何度も発生し、多くの家屋が被害にあっています。南島原市の道の駅ひまわりの隣りには、土砂に埋もれた被災家屋を災害遺構としてそのまま保存してあります。ふもとの小学校(大野木場小学校)も焼失しました。火砕流の直撃こそ受けなかったものの、学校を熱風が襲い、校舎全体が焼けてしまったそうです(こちらの災害遺構も見学できます)。もちろん、降灰による影響を含め、農地への甚大な被害も出ています。

バスで山のほうを訪れると、火砕流で焼け野原となったところに草木が生えていました。30年以上経って自然に回復したのかと思いきや、そうではありません。焼け野原となった土地が自然に再生するまでには、なんと数百年もの時間がかかるのだそうです。
山肌が見えたままだと、大雨などにより土砂が流れてしまい、災害を招くかもしれません。そこで人の手で種をまき、樹木を植えるなどして、ようやく今の姿になったとのことでした。
地震保険の補償対象
日本列島の周囲では複数のプレートがぶつかり合っていることから、地震も火山も多く、火山噴火による災害は日本中で起きています。もっとも、同じ自然災害でも地震と噴火では特質が異なり、火山災害の場合、いったん噴火が始まると、数日間、数か月間と続くことが多いようです。
なお、噴火による災害が火災保険ではカバーされない一方、地震保険(家計向け)の補償対象というのは、一般の人にとっては盲点かもしれません。島原ではそのようなことも頭をよぎりました。
日本地震再保険によると、当時の普賢岳の噴火では、地震保険の支払いとして247件、12億円強の保険金を支払ったそうです。
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