植村信保のブログ

保険アナリスト植村信保のブログ

2009年09月20日

日系生保の中国ビジネス

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日本生命が中国での合弁生保のパートナーを変更したと発表しました。
これまでのパートナーだった上海広電が経営危機に陥ったこともあり、
中国農業銀行(中国4大銀行の一つ)系の金融サービス会社である
長城資産管理公司を新たな合弁相手として再出発するそうです。

合弁相手の経営危機がきっかけですが、合弁相手の変更により
従来のエージェントを通じたビジネス中心から銀行窓販中心へと
ビジネスモデルも大きく変わるのではないでしょうか。

中国の保険市場の規模はまだまだ小さいものの、
経済成長とともに高成長が続いています。

ただ、外資の実質的な参入規制はかなり厳しいです。
例えば生保の場合、外資の出資制限は50%となっており、
外資系企業として50%出資の合弁会社を設立するか、
あるいは中国系企業に部分出資するかしかありません。

地域制限や種目もあります。外資系企業への免許は通常、
地域限定免許かつ種目制限付きです。
もっとも、今回の日本生命のリリースには、
「中国全土における事業展開を目標」とあるので、
もしかしたらハードルを越えることができているのかもしれません
(あくまで想像ですが...)。

参入規制が厳しいのは、商品・サービスで見劣りする
中国系企業を守るためと言われています。
最初に上海に進出したAIG(100%出資)が短期間のうちに
市場シェアを獲得したため、という話も耳にしたことがあります。

他方、東京海上や住友生命のように、部分出資で中国企業として
参入したケースでは、成長は速いものの、今度は当初の出資比率を
維持できないという問題が発生するようです(一般論として)。

中国は日本の大手として無視できる市場ではありませんが、
成長の果実を得られるのはいつになるのでしょうか。


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コメント一覧

suruga  (2009年09月22日 15:55:19)

>他方、東京海上や住友生命のように、部分出資で中国企業として参入したケースでは、成長は速いものの、今度は当初の出資比率を維持できないという問題が発生するようです(一般論として)。

→当該日本企業が出資比率を引き上げることが難しいという意味でしょうか?それとも出資している中国企業が増資をしてしまうという意味なのでしょうか?

植村  (2009年09月23日 22:06:34)

残念ながら本当の理由はよくわかりません。
高成長を遂げ、追加的に資本が必要になった際、
出資比率が下がるケースが見られるようです。

suruga  (2009年09月24日 22:26:38)

丁寧な回答ありがとうございます。

以前も書きましたが、地方の現場で働いている身としてはこういった形の情報発信は非常に助かります。(植村さんが意図されているかどうかは分かりませんが)

大きな世の中の動きをとらえつつ、現場の業務に勤しんでいきます。

中国市場には期待しているほど夢がないのかもしれません。むしろ他の海外市場の方が利益を先に享受出来るかもしれません。(インドとか)

flaky  (2009年10月13日 17:52:07)

興味深い記事を読ませていただき、ありがとうございます。

AIGが成功して規制が強化されてしまったんですね。出遅れましたね、、、

日本の生保が中国進出を成功させることは難しいのでしょうか?
例えば、もし規制がもっと緩和されれば、商品やサービスの魅力で戦えるのですか?

現状では現地企業が市場を独占してるのは本当ですか?

質問ばかりですみませんm(______)m

植村  (2009年10月18日 21:58:52)

あくまで私見ですが...
現実問題として「反日感情」というハードルがあるので、
自動車保険のように被害者との交渉や示談が必要なものは
なかなか難しいと思います。

ただ、商品・サービスやチャネル管理などは
日本を含む外資系が強みとするところでしょう。

中国政府の姿勢が変わればいいのですが、
現時点では中国系保険会社(かつ大手)が市場の大半を
押さえています。

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