植村信保のブログ

保険アナリスト植村信保のブログ

2017年01月22日

韓国学会でのスピーチ

 

韓国リスクマネジメント学会の国際セミナーで
日本の生保破綻とその後の対応等について
スピーチをしてきました。

今どうしてこのテーマなのか不思議でしたが、
現地で話を聞いてみると、前々回ご紹介した
ムーディーズのレポートで書かれているよりも、
韓国の保険業界がはるかに深刻な状況にある
とわかり、妙に納得しました。

日本の生保で経営の重荷となっている契約は
20年以上前に獲得したものが中心です。
加えて、主力商品が保障性商品中心となって
かなりの時間がたっています。

他方、韓国では比較的最近まで金利水準が
高かったため、今から見れば予定利率の高い
超長期の貯蓄性商品を近年まで売っていました。
予定利率が3%超の契約が全体の約7割を占め、
かつ、全体の2/3が残存20年超とのことでした
(通訳が正しければ)。

ちなみに、韓国の10年国債利回り(今は約2%)は、
2010年頃まで5%程度で推移していました。

韓国では2000年代半ばから金利連動型商品
(=金利変動リスクを顧客が負う)が普及しており、
最近では新契約の約8割、保有契約の半分強が
金利連動型となっているそうです。
ただし、金利連動型商品には最低保証があり、
2000年代には3%以上の保証利率だったとか。

もう一つ日本と違うのは、韓国では国際会計基準
(IFRS)をすでに強制適用していることです。

保険契約に関するIFRSが完成し、これをもとに
ソルベンシー規制を行うと、業界全体で数兆円の
資本不足に陥るという報道もあるそうです
(行政当局からのリーク情報と言われています)。

確かに上記のような負債構成を考えた際、
経済価値ベースの評価をすると、非常に厳しい
経営実態が見えるのかもしれません。

「会計・規制への対応という話と、経営者として
 現状を見てどう対応するかという話は別物」

質問への回答として、こんな話もしたのですが、
個社の対応とは別に、保険行政としての対応が
求められる状況のようにも感じました。


※いつものように個人的なコメントということでお願いします。

※左の写真は朴大統領の退陣を求める人たち、
 右は大統領を支持する人たちです。




ブログを読んで面白かった方、なるほどと思った方はクリックして下さい。

コメント一覧

コメントはまだありません。

コメントをする

コメント投稿には専用IDでのログインが必要になります。
IDは筆者と面識のある方や、お仕事でのやりとりがある方にのみ発行しておりますので、投稿希望の方はお問い合わせページよりご連絡ください。

ログインしていない方はコメントをされる前に必ずログインをしてください。
ログイン画面

植村信保ブログ プロフィール ライブラリー お問い合わせ