「決め方」の経済学

 

トランプ大統領誕生やアクチュアリー会等での
各種発表など、盛り沢山な1週間でした。

そんななか、たまたま読んでいたのがこの本
(「決め方の経済学」)です。

著者の坂井氏は選挙方式など「決め方」を
研究する経済学者で、「多数決を疑う」という
著書もあります。

本書も、「決め方で結果が変わる」という話を
わかりやすく説明していて、おすすめです。

「二択投票で多数決を正しく使いこなす」
を読むと、「陪審定理」というものがあり、
投票者の数が増えるほど、多数決の結果が
正しくなりやすいのだそうです。

ただし、それが成り立つには、

 ①多数決で決める対象に、皆に共通の目標が
  ある。
 ②有権者の判断が正しい確率が0.5より高い。
 ③有権者は各自で判断し、ボスに従ったり、
  空気に流されたり、勝ち馬に乗ろうとしない。

これらすべての条件が満たされている必要が
あります。

坂井さんによると、多数決を正しく使うのは
必ずしも容易ではなく、正しさが求められない
「どうでもいいこと」を決めるのに向いている
とのことです。

米大統領選の場合、有権者が次の大統領を
選ぶということなので①は満たされていますが、
②と③はどうだったのでしょうか。

もっとも、②③の条件を満たすべく、社会が
取り組めることはありそうです。

多数決により誰か一人を選ぶ必要がある以上、
例えば、有権者が正しく判断できるような環境を
整えるとか、教育・啓蒙活動を行うなどにより、
有権者がコイントスよりもマシな判断をするよう、
取り組んでいくというのが重要なのでしょう。

アクチュアリー会の年次大会(11/11)では、
「マイナス金利と保険会社経営」パネルのMCと、
ERM委員会「模擬経営会議」のナビゲーターを
務めました。

「模擬経営会議」は私にとってもチャレンジでした。
一種のケーススタディーなのですが、俳優さんたちに
場面を演じてもらい、それをもとに会場とやり取りし、
課題を考えていくというもの。

場面やケースを考え、筋書きを決め、リハを行い、
会場への質問項目を考えて…と準備が大変でしたが、
俳優さんたちの頑張りで、何とか形になりました。

ご覧いただいた方、いかがでしたでしょうか。

※いつものように個人的なコメントということでお願いします。

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