イールドカーブの低下

 

日本銀行は16日の金融政策決定会合で
追加的な金融緩和措置の実施を見送りました。

ただし、今後とも「物価安定の目標」の実現のために
必要な場合には、「量」・「質」・「金利」の 3 つの次元で、
躊躇なく、追加的な金融緩和措置を講じるとのことです。

「マイナス金利付き量的・質的金融緩和」により、
金利水準は大きく下がりました(特に超長期ゾーン)。

<財務省:国債金利情報から>
          2015.3.31   2016.3.31   2016.6.16
 10年金利    0.398% ⇒ -0.049% ⇒ -0.208%
                   (-0.447)    (-0.159)
 20年金利    1.133% ⇒  0.441% ⇒  0.103%
                   (-0.692)    (-0.338)
 30年金利    1.357% ⇒  0.547% ⇒  0.148%
                   (-0.810)    (-0.399)
 40年金利    1.464% ⇒  0.632% ⇒  0.194%
                   (-0.832)    (-0.438)

この結果、生保各社が公表するEVは、3月末から
さらに下がってしまいます(大手で▲数千億円?)し、
商品戦略も、もしかしたら抜本的な見直しが必要に
なるのかもしれません。

長期にわたり利率を保証するという点で大変なのは
年金も同じです。

確定給付企業年金の予定利率は2%以上のところが
多いようですから、予定利率を引き下げるところが
増えていくのではないでしょうか。

危うい金融商品なども出回っていそうですよね。

黒田総裁は同日の記者会見で、

「マイナス金利政策の効果は、実体経済面にも徐々に
 波及してきており、今後、より明確になっていくのでは
 ないかと思っています」

と述べ、イールドカーブの引き下げが実質金利を下げ、
実体経済を刺激する効果があるとしています。

これに対し、全国銀行協会の國部会長は16日の会見で、

「足元では、設備投資など企業の前向きな動きは
 まだ出てきていない」

「企業が設備投資をするときには、もちろん金利も一つ
 のファクターであるが、国内で設備投資をする場合は、
 日本経済の期待成長率がある程度見込めないと
 設備投資をしないということだと思う」

とコメント。そもそもマイナス金利政策の波及経路は

「円安あるいは株高という経路によって消費であるとか
 投資を刺激し、実体経済の拡大を狙うものと思っている」

という見方なので、今の円高・株安基調のなかでは
実体経済へのポジティブな影響は期待できないという
ことなのでしょう。

また、金融庁の人事情報を探していたら、麻生大臣が
14日の会見で次のようなコメントをしているのを発見。

「(ヘリコプターマネーに関する質問に対し、)今現在でも
 問題なのは、お金があるないという話ではなく、実体経済に
 おける需要の絶対量が不足しているところが問題なのですから、
 そういった意味で金利を安くしたからといって特に需要がなければ、
 そのお金は生きてこないというのは、これまでで既に証明は
 終わっていると思いますけれども」

失言の多いかたではありますが、これは強烈です。

そうはいっても、2%の物価目標から程遠い現状を見れば、
日銀による「金利も」「量も」という緩和政策は今後も続くのでしょう
(=やめる理由がありません)。

長期の保障を提供する主体にとって非常に厳しい政策だと
いうことを、日銀はどこまで認識しているのでしょうか。

※築地の青果市場です。スイカがたくさんありました。

※いつものように個人的なコメントということでお願いします。

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