社長人事

 

先週に続き、持株会社(純粋持株会社)関連の話です。

東京海上グループはグループ経営体制(人事)を見直し、
持株会社の社長が中核子会社(東京海上日動)の社長を
兼務する人事を改めることにしました。

日本の持株会社グループを見ると、

・純粋持株会社の傘下に大きな中核子会社があるケース

・経営統合に伴い設立した純粋持株会社の傘下に
 複数の中核子会社があるケース

の2つに分けられます。

もっとも東京海上グループやSOMPOグループのように、
設立当初は後者だったものが、その後子会社が合併し、
前者となったケースも目立ちますね。

前者の場合、実質的に「グループ ≒ 中核子会社」
ということが多いためか、持株会社と中核子会社の
社長が同じであることが多かったように思います。

ただ、持株会社の社長はグループ事業ポートフォリオを
いかにマネジメントするかが主な役割であるのに対し、
事業子会社の社長の役割は当該事業のマネジメントです。

東京海上の場合、海外子会社が東京海上日動の傘下に
あるとはいえ、さすがに「グループ ≒ 東京海上日動」
ではなくなっているのでしょうから、今回の経営体制の
見直しは私には理解できる話です。

参考までに、他の保険・金融グループを見てみましょう。
まずは保険持株会社グループから。

MS&ADは、持株会社の社長が中核子会社の一つである
MSIの社長を兼務しています。
ちなみにADIの社長は持株会社の会長を兼務しています。

SOMPOグループは、持株会社の社長が中核子会社の会長、
中核子会社の社長が持株会社の会長という体制です。
しかし、4月から中核子会社の社長が代わり、兼務人事でも、
SJとNKの統合に伴う「たすき掛け人事」でもなくなります。

T&Dは持株会社、中核子会社で社長の兼務はありません。

ソニーフィナンシャルでは、少し前まで持株会社の社長が
中核子会社(ソニー生命)の社長を兼務していましたが、
2015年4月からは兼務を解消しています。

大手銀行グループはどうでしょうか。

MUFGは、持株会社の社長が中核銀行のトップを
兼務しています。
報道によると、近いうちに兼務が解消される模様です。

SMFGとみずほFGは現在、いずれも持株会社の社長と
中核銀行トップの兼務はありません。
SMFGは2011年4月から、みずほFGは2014年4月から
現体制となっています。

三井住友トラストは持株会社の社長が中核銀行の会長、
中核銀行の社長が持株会社の会長という「たすき掛け」。

りそなGは持株会社と中核銀行のトップが兼務です。

全体としては、トップ人事の兼務やたすき掛け人事が
解消に向かっているように見えますね。

※暖冬のためか、大倉山公園の梅がもう咲いていました。

※いつものように個人的なコメントということでお願いします。

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