オリンパスの社長解任

 

保険関連ではありませんが、気になるニュースから。

光学機器メーカーのオリンパスが、4月に就任したばかりの
マイケル・ウッドフォード社長を解任すると発表しました(14日)。

ウッドフォード氏は英国出身ですが、外部招へいではなく、
オリンパスでの勤務歴が30年にわたる「生え抜き人事」でした。
前社長だった菊川剛会長による抜擢人事です。

しかし、
「他の経営陣の間にて、経営の方向性・手法に関して大きな乖離が生じ、
 経営の意思決定に支障をきたす状況」(発表資料より引用)
となり、出席取締役の全員一致で解任を決議したとか。
後任の社長は菊川会長が兼任するそうです。

発表資料には次のような記載もありました。

「当社の目指すグローバル経営とは、人と技術とものづくりの誇りを
 大切にする日本型経営の良さを生かしつつ、世界共通の経営ルール、
 情報管理、オペレーションを実施し、より機動的で効率的な事業基盤の
 構築を目指すものです。」

外国人ならではのリーダーシップの発揮を期待したのに、
リーダーシップを発揮しようとしたら解任されたのだろうか、
という個人的な感想はさておき、少し調べてみると、
オリンパスの持つ「ハイテク」「グローバル」というイメージとは裏腹に、
いろいろと問題含みの会社なのですね。

例えば、上司による取引先社員の引き抜き行為を
「信頼失墜を招く」として社内のコンプラ窓口に通報した社員が、
報復人事や嫌がらせにあってしまい、裁判を起こしています
(一審はオリンパスが勝訴、控訴審で社員が勝訴)。

また、財務諸表を見ると、2008/3期までの拡大戦略に
無理があったのか、2009/3期には売上高の急減や
支払利息の負担増に加え、多額ののれん償却などがあり、
1148億円の赤字決算となりました。純資産は半減しています。

それでも菊川社長をはじめ、経営体制はそのままだったようです
(関係があるかどうかはわかりませんが、会計監査人は変更)。

その「のれん代」ですが、2008/3期末に比べれば減ったとはいえ、
2011/3期末でも1754億円もあるのですね。
この中身が気になるところです。

参考までにオリンパスの連結総資産はほぼ1兆円、
純資産は1668億円、有利子負債が約6500億円、
営業キャッシュフローが329億円です。
表面的に見ただけでも、財務面が盤石ではなさそうです。

※写真はザクロの屋台とランブータンです。
 あいにくどちらも試す機会がありませんでした。残念!

※いつものように個人的なコメントということでお願いします。

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