植村信保のブログ

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2011年05月04日

松崎のなまこ壁

 

西伊豆の松崎に行ってきました。
なまこ壁の建物が残っているところです(写真)。

松崎は今でこそ西伊豆の小さな町にすぎず、
私は漁業の町かと思っていたのですが、
明治時代には養蚕業で繁栄した歴史がありました。

古くから早場繭の産地として知られていたようですが、
養蚕業の近代化をはかるため、あの富岡製糸場に学び、
明治9年には松崎製糸場が設立されています。
松崎の早場繭相場は各地の繭価の標準となったそうです。

高価で手間のかかる「なまこ壁」の建物は、
松崎がいかに繁栄していたかを物語っているのですね。

しかし、各地に鉄道網が発達すると、海上交通が主体の松崎は
徐々に競争力を失っていきます。
さらに、関東大震災により横浜で保管中の生糸が被災した
ダメージが大きかったようです。


ところで、話は現代へと変わります。

平成の市町村合併で、南伊豆地区でも6市町村で
合併する構想が持ち上がりました。

かつては1万人を超えていた松崎町の人口は
約7500人まで減っています。
これといった産業はなく、観光客も減少気味です。

伊豆地区最古の小学校が松崎にあり(明治13年完成)、
その建物は国の重要文化財に指定されているのですが、
隣接する小学校は数年前に廃校になってしまいました。

しかし、松崎町の議会は合併を否決してしまいます。
いくつかの組み合わせが浮上し、住民投票も実施
(合併に前向きな声が多数を占めた)しているのですが、
議会は2009年に合併せずという結論を出しました。

一介の旅行者にはわからない事情があるのでしょう。
ただ、シニア層にはかつての繁栄の記憶が強く残っており、
松崎の名前を捨てられなかったという話を聞きました。


町並みの背景にはいろいろなエピソードがあるのですね。


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| post at 22:40:21 | コメント(0)  | カテゴリー : 16. その他 |
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