植村信保のブログ

保険アナリスト植村信保のブログ

2015年07月12日

生保の海外展開

 

生命保険経営学会の論集「生命保険経営」に
「わが国生保会社の海外展開と展望」という論文が
掲載されました。
生命保険経営学会のサイトへ

会員以外は中身を見ることができないので、
ごく簡単にご紹介しましょう。

タイトルからは、生保の海外展開が進んでいるので、
その背景を考察したもの、と思われるかもしれません。

しかし、本稿ではむしろ、これまで日本の大手生保が
なぜ海外展開に消極的だったのかを論じています
(ここで言う「海外展開」は海外保険事業です)。

日本に進出している外資系保険グループをはじめ、
海外では積極的に国際展開を進める保険グループが
目立つのに対し、日本の大手生保は、第一生命が
海外展開を加速するまで、総じて消極的な姿勢であり、
海外事業の収入や利益は極めて限定的とみられます。

そこで、日本の大手生保が近年まで海外戦略を
積極的に採用してこなかった要因を整理してみました。

1.海外展開の必要性を認識していなかった
 ・あえて経営リスクをとってまで海外展開を加速する
  必要はないと判断
 ・客観的に見れば必要性が高いにもかかわらず、
  何らかの理由でそうは考えなかった

2.海外展開の必要性を認識していたが、できなかった
 ・自己都合による
 ・相手の都合による

それぞれの要因を検討するなかで改めて感じたのは、
国内市場には依然として魅力があるということです。

「生保市場の縮小」という決まり文句とは裏腹に、
日本の生保市場はそれほど縮小していませんし、
新規契約の収益性も依然として良好と言えそうです
(これがいつまで続くかということではありますが...)。

ただし、重要なのは海外展開を加速するかどうか、
ではないと思います。

「ライバルが出るからウチも出る」というのではなく、
自らのリスクテイク戦略として妥当なのかどうか。
その経営判断をステークホルダーにきちんと説明
できるかどうか。

本稿ではそのようなことも書いてみたのですが、
保険会社の海外展開と経営判断のあり方という
テーマについては、引き続き考察したいと思います。


※いつものように個人的なコメントということでお願いします。

※写真は東横線の大倉山駅です。

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2015年07月05日

コーディネーターに挑戦

 

今年で17回目のRINGの会オープンセミナー
ブログで既報の通り、今回は午前中のパネルで
コーディネーターを務めました。

パネリストの栗山さん、中崎さん、増島さんは、
いずれもこのテーマ(保険募集規制改革)で
何度もスピーチしている強者ばかり。

その強者の持ち味をパネルディスカッションで
どうやって引き出すか。これは難題でした。

いろいろ考えた末、各人のポジションを決めたうえ、
何でも順番に聞くのではなく、メリハリをつけて、
地域のプロ代理店に向けてメッセージを伝える、
という方針で臨みました。いかがでしたでしょうか。

会場で聞いていると90分は結構長いと感じます。
でも、ステージの上ではまさに時間との戦いです。

しかも、テーマを3つ示したにもかかわらず、
最初の「制度改正」の話に重点を置くことにしたので、
最後はどうやってまとめようかと冷や汗をかきました
(関係者の皆さん、時間オーバーでごめんなさい)。

厳しい話もしてもらいましたが、会場の皆さんにとって、
有益な情報となれば幸いです。


ところで、週末に金融モニタリングレポートが
公表されています。⇒ 金融庁のサイトへ

保険関係では生命保険乗合代理店10社に対する
モニタリング結果が出ていますね(52ページ以降)。

これによると、行政当局は「不適切な乗換募集」
「顧客情報の管理(外部委託先を含む)」
「募集手数料(キャンペーン販売を含む)」
などに注目したことが示されています。ご参考まで。


※いつものように個人的なコメントということでお願いします。

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