植村信保のブログ

保険アナリスト植村信保のブログ

2012年07月21日

社外取締役の義務化見送り

 

法制審議会の部会で会社法改正の要綱案が示され、
コーポレート・ガバナンスの向上策として検討されていた
社外取締役の選任の義務付けが見送られました
(18日)。

昨年12月の中間試案では、設置を義務付けるものでした
(A案は会社法の監査役会設置会社、B案は金商法の
 有価証券報告書の提出会社に義務付け)。

しかし、一転して今回の要綱案となった背景には、

「経営の適正な監督を行うことができるか否かは、
 社外取締役であるといった形式的な属性ではなく、
 個々人の資質や倫理観といった実質により決まる。

 また、監督を行うにあたっては、専門的な経営判断の妥当性をも
 見極める必要があるが、社外取締役であれば常にそうした能力を
 備えているとは限らない。(中略)

 そのため、社外取締役は、各社が適正なガバナンスを確保する上で
 有効な仕組みについて創意工夫を凝らす中で、それを有用であると
 判断した場合に、自主的に選任すべきものである」
 (経団連HPより引用)

といった経済界からの反対がありました。


他方、日本証券アナリスト協会のアンケート調査
(1月の勉強会で実施)によると、
回答者の69.7%が選任義務付けに賛成しており、

「特に企業統治の在り方については、内外から強く求められている
 コーポレート・ガバナンスの向上を図るため、中間試案で示された
 方向性に添って早急に議論を深めていただきたい」

というコメントを公表しています(1/31)。

日本証券アナリスト協会のメンバーは大半が日本人ですが、
それでもこのような結果が出ています。
株式市場で6、7割の売買代金を占める外国人投資家の目には、
今回の動きはどのように映っているのでしょうか。

法制審議会では社外取締役に関する実証研究も踏まえて
中間試案に義務化を盛り込んでいるようなのですが...
社外取締役に関する実証研究(PDF)

※いつものように個人的なコメントということでお願いします。

※右の写真は大多喜にあった現役の旅館です。
 一度泊まってみたいですね。

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2012年07月14日

超長期債市場の変化

 

超長期の負債を抱える生保のALMに関し、時々耳にするのが、
「日本では超長期債市場が十分ではない」というものです。

確かにそうかもしれませんが、10年前に比べると、
市場がかなり変化しているのをご存じでしょうか。

10年前(2002年度)の国債発行額(当初)は、
10年債が21.6兆円なのに対し、20年債は4.2兆円、
30年債は0.6兆円でした。
40年債の発行は2007年度からです。

2012年度の国債発行計画(当初)を見ると、
10年債が27.6兆円なのに対し、20年債は14.4兆円、
30年債は5.6兆円、40年債は1.6兆円となっています。

発行額が増えていることもありますが、
超長期債の発行はこの10年間で相当増えています。

40年債は年4回の発行で、かつ、1回あたり4000億円なので、
市場としてはまだまだ発展途上のように思いますが、
30年債は年8回発行、1回あたり7000億円ということで、
20年債には及ばないものの、徐々に育ってきているようです
(加えて「流動性供給入札」というものもあります)。

※いつものように個人的なコメントということでお願いします。

※ヨーロッパに行くと自転車の活躍が目につきますね。


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