植村信保のブログ

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2012年01月19日

コダックの経営破綻

 

米イーストマン・コダックが破産法11条の適用を申請しました
(19日)。

17日の日経コラム「一目均衡」は興味深い内容でしたね。
西條都夫編集委員による「コダックはなぜ躓いたのか」です。

写真用フィルムの王者だった米イーストマン・コダックが
経営危機に陥ったのは、デジタルカメラの普及によって
銀塩フィルムの市場が消失したのが直接の要因ですが、
それだけではないというものです。

西條氏はコダックの失敗として次の2つを挙げています。

・まだまだ写真フィルムが全盛だった1990年代に
 「選択と集中」の原則に沿ってフィルム以外の事業を
 次々と外に切り出し、将来の成長の種まで社外に
 流出させてしまったこと

・同じ時期に、最大のライバルの富士フイルムを
 政治力でねじ伏せようとしたこと

コダックは経営破綻に追い込まれてしまいましたが、
同じくフィルムを基盤とした富士フイルムは生き残りました。

両社を比較した英エコノミスト誌の翻訳記事も見つけました。
「『津波が来るのを目の当たりにして、何も打つ手がない』
状態に近い」と、コダックにやや同情的なことも書いてありますが、

「現状に満足する独占企業になっていた」
「完璧な製品を作るメンタリティーに捕らわれていた」
「自社のマーケティングとブランドに大きな自信を持っていた」

などの記述もあります。
JB PRESSのHPへ

日本の保険業界にとっても参考になりそうですね。


※写真は高知の桂浜です。

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2012年01月03日

日銀券が過去最高を更新

 

あけましておめでとうございます。
年末からのユーロ安の流れが続いているようですね。
引き続き不安定な金融市場を予感させます。


さて、日銀が30日に公表した12月実績速報によると、
年末の日銀券残高が83兆9970億円となり、
過去最高を更新したそうです。

超低金利の影響でいわゆる「たんす預金」が増えているほか、
東日本大震災を契機に、手元に現金を用意しておく
家庭や企業が多かったのではないかと見られています。

預貸率の低下もそうですが、日銀が資金を供給しても
経済活動に回らず、お金が滞ってしまっているのでしょう。


この日銀券の残高は、単に現金の動向を示すだけではなく、
日銀が保有する国債残高の上限ともなっています。

最近の国債保有残高は63兆円前後で推移しています。
日銀券の残高が増え続けていることもあって、
国債残高が増えているにもかかわらず、
今のところ上限まで約20兆円の余裕があります。

ただ、日銀による国債買い増しへのプレッシャーは
引き続き強そうですし、他方で、何らかの要因により
「たんす預金」が急減することも考えられます。

ちなみに、2001年の銀行券残高は60兆円程度、
国債保有残高は約45兆円でした。

上限までの余裕がなくなったとき、日銀はどうするのでしょうか。
難しい判断を迫られそうです。


中央銀行の国債購入と言えば、ECB(欧州中央銀行)が
国債引き受けの増額を市場から迫られていますね。

「財政規律を歪めるべきではない」という声(主にドイツ)と
「市場の安定化を優先すべき」という意見が対立していますが、
国債の大量償還を迎えるこの数カ月が最初の山場となりそうです。


※写真は鎌倉・鶴岡八幡宮です。
 正月にはこんな写真は撮れないでしょうね^^


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