植村信保のブログ

保険アナリスト植村信保のブログ

2011年08月31日

リスク許容度と保険の調査

 

スイス再保険の調査によると、日本の20代~40代は
アジア太平洋地域で最もリスク許容度が高いという
結果だったそうです。
スイス再保険のHPへ

2011年4、5月に11カ国でアンケート調査を行い、
「健康」「金融」「キャリア」「ライフスタイル」
それぞれに対するリスク態度を集約し、総合評価を行ったところ、
日本が総合で1位となりました(2位は香港、3位はオーストラリア)。

どうして日本のリスク許容度が最も高いのか不思議ですよね。
いつから日本人はリスクを好んでとるようになったのかと。

調査結果をよく見ると、ここで言う「リスク許容度が高い」とは、
一般にリスク管理の分野で使われるような
能動的にリスクテイクするといったものではありませんでした。

「リスクを過小評価したり、見て見ぬふりをしている状態」
あるいは「無意識のうちにリスクを抱えてしまっている状態」
のことを示していました。

例えば、日本の回答者の55%が将来の経済状態について
不安を感じながら、明確な生活設計を立てているのは
わずか16%だったそうです。

また、日本人は寿命を過小評価しがちであり、
退職後の生活設計が不十分となるリスクが大きい
という調査結果も出ています。


今回の調査は2009年に続き2回目だそうです。
ちなみに前回の調査では、

・「楽しみのために危険なスポーツに挑戦しない」という
 回答がアジアで最も多い47%

・「高い利益を得るために資本を失うリスクをとる」という
 中小企業リーダーの回答がわずか18%(他の国は50%前後)

といった、一般的な意味での「リスク許容度の低さ」を
示すような結果がでています。
2009年の調査結果


※山門に電光掲示板というのは、日本の感覚では違和感がありますね。


ブログを読んで面白かった方、なるほどと思った方はクリックして下さい。
| post at 23:26:53 | コメント(2)  | カテゴリー : 05. 金融・経済全般 |

2011年08月24日

金輸出が過去最高水準

 

金価格の高騰が続くなかで、日本の金輸出量が
過去最高水準で推移しているそうです。

欧米経済の先行き不透明感を背景に、
安全資産とされる金への資金流入が続く一方で、
日本ではむしろ金を現金化する動きが目立つとか。

新聞(23日の日経夕刊)によると、
「田中貴金属工業では、『東京・銀座の店舗で
売却客を中心に朝から列ができている』」
というのですから驚きです。

同じ新聞によると、「金は歴史的に国力のある国に動く」
とのことですが、本当でしょうか。

新興国が競って金を買うような状況のときに
賢い日本の投資家は高値で売却に動いている、
という言い方もできますね^^


※台湾の細長いスイカは甘い部分が多くてお得ですね。


ブログを読んで面白かった方、なるほどと思った方はクリックして下さい。
| post at 23:29:01 | コメント(0)  | カテゴリー : 05. 金融・経済全般 |

2011年08月11日

コメ先物市場の復活



米(コメ)の先物取引が72年ぶりに復活しました(8日)。

早稲田大学の森平爽一郎教授によると、
江戸時代には大阪堂島に世界最初の組織化された
先物市場があり、ここで決まった米の値段が
旗振り通信等により、ただちにに全国に伝えられたそうです。

しかし、日本の米先物取引は戦時統制が進むなかで
1939年に廃止されてしまいます。
今回の東京穀物商品取引所関西商品取引所での
試験上場はそれ以来のことです。


米先物取引の復活で最も期待されるのは
透明な価格形成だと思います。

1995年まで続いた「食糧管理制度」では
米価はかなり政治的に決まっていたようです。
その後、米の流通自由化が進んだとはいえ、
JAグループが国内流通の5割を占めていることもあり、
どうも米価の決まり方は不透明です。

唯一の公的市場だったコメ価格センター
(全国米穀取引・価格形成センター)は
この3月に廃止されてしまいました。

今回の試験上場にJAグループは反対しています。
「コメが投機の対象になる」ので取引に参加しないとのこと。

しかし、食糧管理制度の時代ならまだしも、
米の流通自由化が進み、政府の支援も価格維持から
所得補償にシフトしているなかでは、需給を反映した
価格形成の透明性はますます重要となります。
それとも透明になると困る人が出てくるのでしょうか。

私がたまたまテレビで観た生産者や卸売業者、小売業者の
コメントはどれも前向きなものばかりでした。


ふと思ったのですが、この話、

「経済価値がわからなければ収益・リスクの管理はできない」
「経済価値のように振れる指標では適切な経営ができない」

といった保険会社の経済価値評価をめぐる議論とも
共通するものがありますね。


ブログを読んで面白かった方、なるほどと思った方はクリックして下さい。
| post at 14:41:21 | コメント(0)  | カテゴリー : 05. 金融・経済全般 |
植村信保ブログ プロフィール ライブラリー お問い合わせ