植村信保のブログ

保険アナリスト植村信保のブログ

2011年03月19日

電気供給約款

 

今日(19日)は東京電力の計画停電が実施されず、
家族は久しぶりに落ち着いて過ごすことができたようです。

ところで今回の計画停電は「電気供給約款」に基づいたものの
ようです(約款というと、つい反応してしまいます^^)。

そうだとすると、具体的には次の通りです。

40 供給の中止または使用の制限もしくは中止
(1) 当社は,次の場合には,供給時間中に電気の供給を中止し,
 またはお客さまに電気の使用を制限し,もしくは中止していただく
 ことがあります。
イ 異常渇水等により電気の需給上やむをえない場合
ロ 当社の電気工作物に故障が生じ,または故障が生ずるおそれが
  ある場合
ハ 当社の電気工作物の修繕,変更その他の工事上やむをえない場合
ニ 非常変災の場合
ホ その他保安上必要がある場合

東京電力HPへ

今回は「イ」あるいは「二」に該当するのでしょう
(公表文がないので確認できません)。


ただ、同じ約款の42が気になります。

42 損害賠償の免責
(1) 40(供給の中止または使用の制限もしくは中止)(1)によって
 電気の供給を中止し,または電気の使用を制限し,もしくは
 中止した場合で,それが当社の責めとならない理由によるもの
 であるときには,当社は,お客さまの受けた損害について
 賠償の責めを負いません。

私は法律の専門家ではないのでよくわかりませんが、
もしどこかに「当社の責めとなる理由」があった場合
(例えば点検を怠っていたとか)、裁判で勝てるのかなあと
素人ながら思ってしまいます。

例えば、原子力安全・保安院は東京電力に対し、
次のような注意処分をしていますので(3月2日です)。
保安院のHPへ
毎日新聞HP


※写真は17(木)夕方の東横線渋谷駅です。
 私の後ろの人がNHKのインタビューに答えていました。



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2011年03月17日

震災後の円高

大震災後に円高が進んだ背景として、
「保険会社が多額の保険金支払いに備え、海外資産の売却を進める」
という話を耳にします。

それはないだろう、というのが私の見解です。

例えば損保です。

地震保険の責任限度額は政府分を入れると5.5兆円。
このうち元受会社の負担分は0.6兆円にすぎません。
これに地震火災費用保険、企業保険の一部がどの程度加わるかどうか。

しかも、請求は一気にというよりは五月雨式に来ますし、
請求があれば即支払いというものでもありません
(もちろん可能な限り迅速な支払いは求められますが)。

再保険からの回収には時間差があり
一時的な資金負担は考えられるとしても、
昨年度末の現預金・コールローンの残高は1.2兆円、
国債も4.4兆円あります(インシュアランス統計号より)。
加えて毎月の収入保険料や当座貸越等も活用できます。

他方、損保が保有する外国証券は4.4兆円です(同)。
このなかには円建外債やヘッジ付きもあるでしょうし、
そもそも外国為替市場の規模は1日100兆円単位ということを
忘れてはなりません。


生保については、より現実的な話ではありません。

仮に数万人への支払いだったとしても
数百億円から数千億円というオーダーにしかならず、
生保が保有する流動性の高い資産残高
(現預金・コールローンは約7兆円、国債は12兆円)
を考えると、ほとんど問題になりません。

また、生保の外国証券残高は数十兆円になるものの、
公表資料によると、ヘッジ付きがかなりを占めています。
強いストレスを受けたのは日本なので、
海外資産を一気に手放す理由がありません。


円高の背景はよくわかりませんが、こうしてみると、
少なくとも保険会社が「犯人」ではないように思えます。
いかがでしょうか?


※いつものように個人的なコメントということでお願いします。


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