植村信保のブログ

保険アナリスト植村信保のブログ

2010年07月25日

米国の住宅市場

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毎週公表される米FRB(連邦準備理事会)のバランスシートを見ると、
米国の住宅市場がいかにFRBに支えられているかがわかります。

21日時点のFRBの総資産は約2.3兆ドル。
このうち政府支援機関(ファニーメイ、フレディマック)が発行した
住宅ローン担保証券(MBS)が約1.1兆ドルです
(機関債を含めると約1.3兆ドル)。

MBS買取プログラムは2009年1月に始まり、
金融危機以降の住宅市場を下支えしてきました。

金融市場の回復に伴い、金融機関への政府支援は
AIGを除き、ほぼ解消しています。
しかし、このファニーメイ、フレディマックへの支援はそのままです。
支援規模もAIG関連とは比較になりません。
FRBは3月末でMBS買取プログラムを修了しましたが、
この先どう正常化していくのか、道筋は全く見えません。

ファニーメイ、フレディマックの存在は大きく、
残高ベースで全米の住宅ローン市場の約半分の規模があるそうです。
今回の米金融規制改革法にも住宅ローン関連については
盛り込まれませんでした。

バーナンキFRB議長が米景気の先行きについて
「非常に不確実」と懸念を表明するなかで、
大きすぎて手がつけられない状態とでも言うべきでしょうか。


※町内会主催の盆踊り大会に顔を出しました。
 いつもながら本文とは関係ない写真ですね(苦笑)

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| post at 23:12:55 | コメント(0)  | カテゴリー : 05. 金融・経済全般 |

2010年07月07日

変動金利ローンが9割超

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年金払い保険への二重課税を違法とする最高裁判決
(保険会社の事務・システム負担はどうなるでしょうか?)や、
大相撲名古屋場所のNHK生中継中止など、
ブログのテーマには事欠かない毎日ですが、
週末の新聞を見て驚いたので、こちらにしました。

3日(土)の朝日新聞によると、メガバンクの住宅ローンは
今年に入り、変動金利型が全体の9割を超えたそうです。

一般的な変動型の提携金利は1%を下回っています。
この水準では銀行もあまり儲かってはいないでしょう。

長期固定金利の住宅ローンの代表である「フラット35」の金利は
年2.5%程度と決して高くはないのですが、目先の負担が
月数万円違うとなると、顧客は変動金利型を選んでしまうのでしょうか。

確かに10年以上も低金利が続いており、しばらく上がりそうにも見えません。
仮に上がったら固定型に切り替えればいい、という判断
(あるいはセールストーク)なのかもしれません。

しかし、新聞に載っていたFP深田晶恵さんの
「上がったら固定型に切り替えるという考え方は非現実的」
というコメントに私も同感です。

35年返済の住宅ローン5000万円(元利均等払い)では、
毎月の返済額は金利1%で14.1万円、
2%では16.5万円、3%では19.2万円です。
変動型は固定型より月々3万円は返済額が少なくてすみます。

ただ、この14.1万円という返済額を前提に家計を固めてしまうと、
残高があまり減らないうちに少しでも金利が上がると
たちまち家計は苦しくなります
(返済期間が長いと残高はなかなか減りません)。

しかも、その時点で固定金利型に変えようとしても、
当然ながら金利は今の水準よりも上がっています。
もし返済額が月5万円も増えたら、家計は回るのでしょうか。

多額の借金を抱える日本政府は、長期固定金利の国債を中心に
資金を調達しています。それでも、金利が上がると利払い負担がかさみ、
苦しくなるのは必至です。

政府の財政も心配ですが、銀行のリテールビジネスの柱である
住宅ローンがこれでは心許ないですね。


※写真は地元・熊野神社の「星祭り」です。
 和楽器クラブの小学生が演奏を披露しました。

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